21世紀を生きる数少ない現役シュルレアリストのひとりである芸術家、ヤン・シュヴァンクマイエルがYouTubeに新たなリファレンス動画をアップしていました。
シュルレアリスム、オブジェ( ここでは一般的な"インテリアとしての芸術性のある置きもの"という意味ではもちろんなく、本質的な意味でのオブジェのこと。シュヴァンクマイエルの作り出す作品の多くもオブジェ )、2005年に亡くなった彼の妻であり、創作活動における重要な共同作業者でもあったエヴァに続いて、今回はこれもまたシュルレアリスムを理解するうえで重要なファクターである幼年期( 子ども時代 )について言及しています。内容はシュヴァンクマイエル自身の子どもの頃の思い出というより、あえて大きく言うならばシュヴァンクマイエルが考える人間にとっての"幼年期"について。以下に日本語で訳してみました。あわせて英語字幕も書き起こしましたのでよろしければチェックしてみてください。
※シュヴァンクマイエルによる過去のリファレンス動画日本語訳は以下のエントリからご覧ください。
シュヴァンクマイエル本人によるインタビュー&作品解説動画まとめ
ヤン・シュヴァンクマイエル、”幼年期”を語る
日本語訳
わたしはこれまでずっと、幼年時代とはわたしの人生において、ある閉じられた期間を意味するわけではないと言い続けてきました。わたしももう80歳に近づいていますから「 幼年時代とは未熟さを伴うものである 」ことは認めなければいけません。しかしわたしは「 未熟さ 」ということばには軽蔑的な意味はなく、むしろわたしの作品のすべてはそういった未熟さ、幼年時代の素晴らしさを象徴するものであると見ています。幼年時代( 未熟さ )とは夢やエロティシズムとおなじく、あらゆる創造的な活動において必要不可欠な要素のひとつであると信じているのです
英語字幕書き起こし
On childhood
I have always said that I don't consider childhood to be a closed chapter in my life.
Of course, I must admit that this sounds a little juvenile as I approach the age of eighty.
But for mr,"juvenile" does not have pejorative connotations.
On the contrary, I see my entire body of works as a certain triumph of infantilism.
I believe that childhood, similarly to dream and eroticism, is one of the essential sources of any imaginative work.
おまけ
ヤン・シュヴァンクマイエルは現在チャペック兄弟の戯曲「 虫の生活 」を上演する劇団をえがいた新作映画「 Insect( 英題 ) 」を撮影中で、2018年公開をめざしてクラウドファンディングを準備しているようです。5/20から開始されるようなので、ファンの方はぜひ応援してみてはいかがでしょう。
シュヴァンクマイエルのそのほかの解説動画に関しては以下をチェックしてみてください。
シュヴァンクマイエル本人によるインタビュー&作品解説動画まとめ
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