自身最後の映画と銘打った作品「 蟲 」が現地でついにプレミア上映された、チェコの現役シュルレアリストである芸術家、ヤン・シュヴァンクマイエルが、彼のオフィシャルYoutubeチャンネルにて、「 Jan svankmajer's list 」の新作「 こどもについて 」がアップされていました。
この動画では以前も話していた「 こども 」や「 こども時代 」についてまた違った切り口から展開して話しています。自身で映画化もした「 不思議の国のアリス 」に関する発言も出てくるのでファンにはたまらない内容なのではないでしょうか。以下に英文字幕書き起こし&翻訳を紹介します。
動画シリーズ「 Švankmajer's list 」に関しては、以下の過去エントリを参照ください。
関連リンク:ヤン・シュヴァンクマイエルによるインタビュー&作品解説動画まとめ
日本語訳
こどもについて
こども、夢、エロティシズム…それらはイメージ的な創作における3つの主要な要素です。わたしは自分自身を幼いこどものようなものだと思っているし、実際にも人生を通して遊んでばかりいたしいまだに遊んでいて、仕事なんてしたことがないような未熟な人間ですしね。わたしはこれまでの人生で決して仕事をしませんでした。"仕事"とは人間を奴隷化させるものだと思っているので。そのかわり遊んでばかりいます。人形劇をしていたときも、仮面劇のときも、ラテルナ・マギカ( ※幻灯機による映写と人間による芝居を組み合わせた演劇 )のときも、わたしはこれからわたしのすることは、ゲームをやるときのような楽しみを与えてくれるかどうか明確にしながら生きてきました。"食う"ためではなく。だからわたしは稼げなかった。お金のためにやったことなんて一つもないですから。
ともあれこどもの話ですが…たとえば「 不思議の国のアリス 」は、わたしの精神的形態論、精神の在り方を定めるものの一部となっています。無人島になにか1冊だけ本を持って行かなければならないならわたしは「 不思議の国のアリス 」を選びます。この本はどんな年齢であっても読める本です。そして、いくつになっても読むたびに物語からなにかあたらしいものを見いだすことができる。こどもの時にしかわからないことや、ある年代、あるステージに立たないと理解できないことなどをね。とても素晴らしい本です。
わたしの映画にはときにこどもが登場します。それはほとんどの場合少女の姿をしていますが、これは別にわたしが少女が大好きだから、というわけではありません。少女が出てくる映画はわたしの自伝的な内容が強いものなのです。そういった映画に自分が出演するのは嫌ですし、かわりに少年をキャスティングしたところでパーソナルな意味合いが出てしまう。だからわたしはいつもそこに、わたしの代わりの役割として少女たちを配置するのです。
英文字幕書き起こし
Childhood
Childhood, dream, eroticism…
Those are thee main sources of imaginative creativity. And I see myself as an infantile, practically immature person, who has played his entire life and keeps playing even now and really has never worked. I have never worked because I see work as something enslaves a person. And I have always played. I've played my entire life. Whether i did the puppet theatre, whether I did the thatre of masks or in Laterna Magika, I have always made sure that what I do gives me pleasure as a game, not that I make my living from it. That's why I never made money. I never did anything for money.
Anyway, Alice in Wonderland, for example… that's part of my mental morphology. If I was to take a book along to a deserted island, just one, I would take Alice in Wonderland because this is a book you can read all the time - at any age, and you will always find new things there - things you wern't able to perceive or understand at a certain stage, certain age. That's a brilliant book.
Children sometimes appear in my films. They are mostly little girls. But they are there not because I like little girls but because you…those are my most autobiographic films. I don't want to present myself there but if I put a little boy in there, it would be too personal. That's why I always put little girls there - in those roles. But those are my roles and, as I've said, those are my most autobiographic films, those where a child appears.
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