NETFLIXのヒップホップ・ミュージカル「Get Down」の雑然とした感想

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NETFLIXに登録して米国のドラマ「Get Down」を観ました。ヒップホップの誕生と誕生した当時のニューヨーク・サウスブロンクスの人間たちを描いたラップ・ミュージカル。グランド・マスター・フラッシュとアフリカ・バンバータがスーパーバイザーとして参加し劇中のラップのリリックはナズが書いている。監督はムーラン・ルージュ(2001)のバズ・ラーマン。全2シーズン11話。

ストーリー的には冷静に話し合えばすむ問題を愛や友情にかこつけた怒りや暴力やわがままでこじらせていくが いつのまにか解決してそのままハッピーエンドを迎える、という至極アメリカン・スタンダードなものだったけど、至極アメリカン・スタンダードなものだからこそそれなりに楽しめました。ソウル・ディーヴァを夢見るヒロイン、メイリーン(主人公の恋人、モデルはメアリー・J・ブライジだろうか)の父親が超敬虔かつ禁欲的なカトリックの宣教師で彼女の夢をことごとく破壊していくところはアメリカっぽくないなと思ったが、実は彼は育ての親で、彼女にチャンスを与え続ける実の父親が別にいたので、結局はとってもアメリカンな話だった。アメリカの父親はいつも子どもの夢を叶えるか少なくとも命を守る。

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あとやたらとLGBTがフィーチャーされたり、彼らに対して基本侮蔑的な視線を向けているヒップホップ・プレイヤーたちの中にもゲイがいたりする(しかも白人男性と恋に落ちる)のは、上に書いたものとは逆サイドのアメリカ的なポリティカル・コレクトネスが作用しているからかもしれない。おなじく2010年代に生まれたミュージカルである「ラ・ラ・ランド」のオープニングに出てくるダンサーたちの肌の色のタイプが彼らの身につける衣装の色数よりもずいぶんカラフルだったことを思い出す。

このドラマ、スタートの時点では2シーズン全12話の予定だったらしいがシーズン2が5話しかなく、しかもシーズン2にはシーズン1にはなかったアメコミ風アニメーションでシーンを描写する演出がたくさん出てくるようになっていた。予算とかキャスティングとかの部分に何かしらの齟齬が生じたのかもしれない。むかしイギリスに住むアルゼンチン移民サンティがニューカッスルからレアル・マドリーに移籍してW杯優勝するまでを描く三部作「GOAL!」という映画の第3作目、いよいよW杯ってときに主人公サンティがケガで欠場、代わりに前作までほとんど出てこなかった彼の友人が主人公になり、GOAL!2までは所属チームのスタジアムや実際の試合映像などを使用しあたかも俳優がその中でプレーしているような演出をしていたのに、3作目ではそのようなシーンは全くなく、代わりに誰が見ても明らかに合成とわかるお粗末なCGでW杯の試合を描く、というかたちに変わっていて開いた口がふさがらなかったことを思い出す。企画だおれ、という言葉を人生で初めて意識した瞬間だった。

そのほかではグランド・マスター・フラッシュのタマネギ先生感がすごくよかった。いつ「Kick,Punch,It's all in the mind」と言い出してもおかしくない雰囲気。メイリーンの友人レジーナのビッチなキャラクターも最高。そして登場人物のほとんどがドラッグキメまくり、ウィード&クラックまみれ、本来的な意味でのoverdoseな人間を観られる稀有な内容なので、いまの日本じゃ絶対に作れない類の作品だなとも思った。日本のヒップホップ・シーンの最前線ともいうべき「フリースタイル・ダンジョン」でも嬉々としてコンプライアンスに従ってるしね。

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