高浜寛「エマは星の夢を見る」レビュー カサノバとダフト・パンク

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高濱寛さんの「 エマは星の夢を見る 」をジャケ買い&作家買いしました。

高浜寛「 エマは星の夢を見る 」書影

フランスで出版された、女性の元ミシュランガイド調査員が実体験に基づいてその内実や彼らの日常生活を描いたエッセイが原作で、本の著者はマンガの主人公でもあるエマことエマニュエル・メゾンヌーヴさん。タイトルは某「 アンドロイドは電気羊の夢を見るか? 」のふりをした映画「 二郎は鮨の夢を見る 」が元ネタかもしれません。

Maisonneuve( 日本語でいう新家さん )って名字、ヨーロッパだとすごくユビキタスですよね。ていうかフランスにもいる( フランス語でも存在している )とは思わなかった。バスク人ならエチェベリア( Etxeberria )で、イタリア人ならカサノヴァ( Casanova )にあたる。カサノヴァといえばフェリーニの映画でもおなじみ、ドン・ファン怪僧ラスプーチンとならぶヨーロッパ文化における性豪の代名詞である。日本だと光源氏か火野正平ですね。
食に執着が強いひとは性にも執着が強い、というやたらとsupersutitionめいている、なんだか合コンで大活躍しそうな説が昨今流布していたりいなかったりしていますが、それがもし科学的にもホントなら、こんなにミシュランガイド調査員にふさわしい名前はないんじゃないでしょうか。

それはともかく。ストーリーでいうとエマがハードワークのなかで彼女の仕事に理解のない恋人のトマとうだうだしながらすれ違い続けるのをみてずっと「 早く別れろや 」と思いながら読みました。ていうか、フランスのエマニュエルとトマってほぼダフト・パンク。もちろんストーリーには全く関係ないですが、ダフトパンクもミシュランガイド調査員も基本身元を隠しているという点では共通していますね。

たぶん作画作業における経済的な理由でそうなってるのだろうけど、浅野いにおか花沢健吾かよ、ってくらい背景は写真をトレースして描き、ときにはトレースどころかそのまま使用していたりもしていたので江口寿史に怒られやしまいかと無駄にドキドキしました。まあ、ウソですけど。

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