クロアチア対メキシコマッチレポート【FIFAブラジルワールドカップ2014】

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前半

グループリーグ突破に向けて、メキシコは引き分け以上で進出決定、一方クロアチアは勝つしかない状況で迎えたこの試合。クロアチアはこれまでセントラルミッドフィルダーとして出場していたエースMFモドリッチをより攻撃的な位置に上げて、3戦目にして勝負にでるシステムで試合に臨んだ。お互いに激しいプレーの続く試合になると予想されるカードだったが、序盤は両チームともに最終ラインでパスを回しながら相手守備陣のギャップを探していく、比較的落ち着いた展開となる。最終節の緊張感漂うなか試合は進んでいくが、前半8分、中盤でのディフェンスでクロアチアMFラキティッチにイエローカードが提示されたことをきっかけに、玉際で両チームの選手がぶつかり合うことが多くなり、徐々に激しさを増していく。クロアチアがセットプレーでチャンスを作り出せば、メキシコMFエクトル・エレーラのミドルシュートがクロスバーをたたくなど、お互いに一歩も引かない様子で試合は進んでいった。

15分をすぎるとメキシコは前線からのプレスが徐々に機能しはじめ、ボールを奪っては中央で細かくパスをつないだり、浅い位置からの大きなサイドチェンジをしたりと、ピッチを広く使ったテクニカルな攻撃で得点を目指しはじめる。一方のクロアチアはそれに対してきっちりブロックを作り、パスカットを狙っては前線サイドに展開して速い攻撃を繰り出す意図をみせるも、激しいメキシコのプレッシャーと早いリトリートでなかなか攻め込むことが出来ず。。試合のテンションとしてはそれほど高くないものの、お互いに高い集中力をみせているため攻守が激しく入れ替わり、一度ミスをすればそれが命取りになるような雰囲気に包まれて時間は経過していった。

その後メキシコのコーナーキックの流れからクロアチアがカウンターをみせるなか、MFグアルダードの突破や多くの選手が絡むパスワークによる局面打開などによってメキシコが危険な場面を作り出すなど、比較的メキシコが試合の主導権を握りながら前半は終了、息をもつかせぬ展開で、生き残りをかけた試合にふさわしい内容となった。

後半

後半は開始から勝つしかないクロアチアがアグレッシブさを前面に押し出しはじめ、サイドでこれまでも活躍していたMFペリシッチやFWオリッチの突破から、勢いをもってメキシコ陣内に攻め込んでいった。これに対して引き分けでも進出が決まるメキシコは戸惑いながらも冷静に対応、ボールを奪っては試合をコントロールしつつ、これまで通りピッチを広く使って攻撃を繰り出していた。なんとなく攻めきれないクロアチアは守備的な中盤の役割を担っていたMFヴルサリコに代えてMFコヴァチッチを投入、流れを変えようとする意図をみせ、さらに攻勢に出る。

ここでメキシコはマルケスを最終ラインから中盤の底にポジション変更、4バックにしてさらにマルケスのボール展開力をさらに生かす布陣を敷くと、後半序盤からクロアチアに握られていた主導権を奪い返すことに成功し、徐々にクロアチアゴール前でのプレーが増えはじめる。後半18分にはCKの流れからグアルダードがペナルティエリア内左でシュートを放ったところ、DFスルナが身を挺してのディフェンスが手に当たってしまうがファウルをとってもらえぬ不運な場面もあったものの、交代によって流れをつかみきれなかったクロアチアに対してかなりボールを保持し、試合を支配していった。すると後半25分、再三にわたって得ていた右サイドコーナーから、これまですべてニアサイドに蹴っていたボールを初めてファーサイドに入れると、そこに待ち構えたマルケスがヘディングであわせてゴール。流れを完全につかんだメキシコが先制点を奪った。

もう後がないクロアチアはFWイェラビッチを投入してパワープレーに出る。しかしその直後、カウンターからメキシコのグアルダードがゴール。クロアチアは反撃の出ばなをくじかれてしまうとともに、致命的な追加点を奪われてしまった。その後クロアチアはなんとか反撃に出ようとするも、明らかに意気消沈した様子で切れのある攻撃を繰り出すことが出来ず、逆に勝利を確信し勢いにのるメキシコはパワープレーに出てチームバランスを大きく崩したクロアチア守備陣に対して攻め込み、後半35分には再びCKキックから途中投入されたFWチチャリートが追加点。メキシコの勝利を確実なものとした。クロアチアは後半41分に大分弛緩したメキシコ相手にひとり気を吐いていたMFペルシッチが得点を上げるも反撃はここまで。逆に42分には途中投入されたレビッチが危険なプレーで一発退場になるなど完全にチームは崩壊してしまい、試合は終了。メキシコが素晴らしい試合をへて見事決勝トーナメント進出を決めた。

クロアチアとメキシコ、それぞれの印象。

クロアチアは決して悪くない戦いをしていたんですが、メキシコが素晴らしすぎた感じですね。引き分けでもいい、というメンタルを上手く利用した戦いを出来ていたような気がします。逆にクロアチアはサバイバルのこの試合に気負いすぎたのか、エンジンのかかりが遅かったのかもしれません。そしてこのチームの売りであるモドリッチラキティッチが輝けなかった。今日はトップ下にモドリッチ、セントラルMFにラキティッチを置いていましたが、逆のポジションにしたほうがよかったのかもな、なんてことを独善的に考えてしまいました。しかし今大会のメキシコはすごいですね。相手がチリになるかオランダになるか非常に微妙ですが、できればオランダと当たってボコボコにしてほしいです。

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