the lagerhones interview at cafe lawn

The Lagerphones 来日ツアー2018 スペシャル・インタビュー

Posted :26/12/2018 , Modified :

トランペット、トロンボーン、クラリネット、バンジョー&ギター、コントラバス、ドラム&パーカッションというセットでトラディショナルなジャズ、タンゴ、ブルースなどに根ざした歌って踊れる音楽を届けるメルボルンで結成された6人組バンドThe Lagerphones。今回simonsaxon.comでは、約3週間で東京、大阪、京都の計15か所でのライヴを行った、彼らにとって4度目の日本ツアーの「4次会」を終えたバンドメンバーと、ツアーの仕掛け人でもあるイベント・オーガナイザーのヴォーン氏へインタビューを行いました。バンドの成り立ち、日本の印象、今回のツアーの思い出、ライヴに対して抱く想い、これからのプランなど、ありとあらゆることについて語っていただきました。同日に行われた四谷の喫茶店「珈琲ロン」でのライヴの写真とともにお楽しみください。

取材・構成:simonsaxon.com
写真:Yasutaka Mizunaga

The Lagerphonesインタビュー

——今年で4回目となる日本でのライヴツアーはいかがでしたか?

Jon(Cl.):毎回楽しいけど、今回も楽しかったよ。いままでよりもたくさんライヴをすることができたし、関西でも演奏できたのは、日本をあらためてフレッシュに感じられる経験だったね。

James(Tb.):それに年を追うごとにツアーの規模も大きくなっているし、期間も長くなっているからうれしいよ。

——今回は東京に加えて関西でもライヴをしたそうですが、はじめて行く関西はどのような印象をうけましたか?

Jon:すごく気に入ったよ。とくに京都は、東京の忙しなくてクレイジーな感じとは打って変わってとても自然が豊かで静かな場所で、いままで知らなかった日本の一面をみることができたと思う。

——東京と関西とで、オーディエンスの反応に違いを感じましたか?

Ben(Tp&Vo.):ドラムのNickが言うには、大阪の人たちのほうがよりグルーヴィーな曲が好きで、東京はジャズ然とした曲のほうが人気があるような気がするらしいよ。気のせいかもしれないけど(笑)

——関西に限らず、今回のツアーで印象に残っている出来事はありますか?

Jon:体験したこと全部が印象深いよ!

Ben:ひとつ挙げるなら、大阪でニューオリンズラスカルズと出会ったことかな。彼らは大阪で47年間おなじ会場でライヴ活動を続けているニューオリーンズ・ジャズのバンドで、もちろんメンバーはみんな地元の人たちなんだけど、彼ら自身のパーソナリティも、紡いで来た音楽的な歴史も、ぼくらが育ったメルボルンのジャズ・シーンのカルチャーとすごく似ていたんだ。「こんなに場所が離れてるのになんでこんなに似てるんだ!」って驚いたよ。

James:それに嵐山に行ったのも楽しかったね。あとカラオケも!

——(笑)。カラオケでは何を歌うんですか?

James:JUDY AND MARYのそばかすとか、リンダリンダとかかな。

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James

——カラオケの話も気になりますが(笑)、バンド自体についてもう少しくわしく教えてください。The Lagerphonesはいつごろから活動していて、結成のきっかけはどんなものだったんですか?

Ben:ぼくとJamesが、ある日いっしょにパブで飲んでいたときメルボルン・ジャズを聴きながら「こういうジャンルのバンドをやりたいね!」と意気投合したことがはじまりだよ。そこからJonがアデレードからメルボルンに来るのを待ったり、最後にThe Lagerphonesにとってはとても重要なピースだった、お酒が好きで素晴らしいバンジョー・プレーヤーのLouisがメンバーに加わったりして、いまのかたちになるまでには1年くらいかかった。バンドとして活動を始めたのは6年くらい前からだね。

——The Lagerphonesはライヴをメインに活動されていますが、日本とメルボルン以外で演奏したことはあるんですか?

James:オーストラリアではアデレードとかそのほかの小さな街とか、メルボルン以外でもライヴすることはあるけど、それ以外は日本だけだよ。

——オーストラリアで演奏するのと、日本でやるのとではなにか違いを感じることはありますか?

Jon:日本でのライヴはどこでもすごくやりやすいよ。みんなとてもフレンドリーに接してくれる。みんなぼくたちの演奏をよく聴いてくれるね。

Ben:オーストラリアでは演奏中でも話しかけてくるよ(笑)

James:「もっと大きな音で弾け!」とか、Nickに対して「髪を切れ!」とか、ヤジみたいなのが飛んでくることもあるね(笑)もちろんフレンドリーでポジティヴなニュアンスなものだけど。

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BenDSCF5841Nick

——日本でライヴをするようになったきっかけはどういったものだったのですか?

James:それはヴォーンのおかげだよ。ぼくと彼とはずいぶん前からの知り合いで、ヴォーンの兄とぼくとがバンドを組んでいたりしたんだけど、The Lagerphones結成後にヴォーンにビデオを見せたら気に入ってくれて。それがきっかけでいまこうなっている感じだね。

ヴォーン:それからしばらくして、Jamesから突然「2ヶ月後に日本行きのチケットを取ったから、演奏できる場所をオーガナイズして!」って言われて。ぼくは以前にもオーストラリアのバンドを何組か日本に呼んだことがあったから、彼らが来日するまでのあいだにツテを辿ってなんとか演奏できる場所を探したんだ。

James:ぼくたちとしては最初はちょっとした休暇のつもりで、日本に来て、そのあいだにどこかで2回くらい演奏できたらいいなと思ってたんだけど、ヴォーンがいろんなところに連絡してくれたおかげで、10日間で12回も演奏することになったよ(笑)最初の年は、日本にいるあいだは毎日演奏していたね。

ヴォーン:今回は1日半はオフの日を用意したよ。

James:(日本語で)感謝シマス(笑)

——(笑)。毎年そんなハードスケジュールにするのは、ヴォーンさんの中でなにか理由があるんですか?(笑)

ヴォーン:そっちのほうがおもしろいから!来日するバンドでそういうツアーを組む人ってあんまりいないでしょ?(笑)あと、彼らが演奏するのは比較的小さな場所というか、30人くらいでオーディエンスがいっぱいになるようなところで、いわゆるライヴハウスとかではない、ふつうのお店でやることが多いから、できるだけ多くの人に彼らの演奏を楽しんでもらうためには回数を増やさなきゃね。この喫茶店(喫茶ロン)もそうだし、大阪では家具屋さんでも演奏した。ギャラリーなんかでやったこともあったね。

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ヴォーン

——The Lagerphonesの特徴のひとつとしては、そのハードなスケジュール以外に、ライヴのほとんどが入場無料で観られる点が挙げられると思います。ほかの国から日本にくるバンドのライヴがフリーで観られる、というのは日本のライヴ文化を考えるととてもスペシャルなことだと感じるのですが、それはなにか考えがあってのことですか?

James:ぼくたちが日本で演奏する場所にも深く関わっているね。いわゆるミュージック・ヴェニューやライヴハウスではチャージが発生するものだけど、さっきヴォーンが言ったとおり、ぼくらがライヴをするのは普段ライヴをするような場所ではなくて、チャージがいらない場合も多いぶん、エントランス・フリーで観てもらうことができるんだ。

Nick(Dr.):ぼくらは演奏するのにアンプとかサウンドシステムとかを必要としていないから、ちゃんとしたライヴハウスに限らずどこでもやれてしまうからね。

Jon:それに、エントランスフリーにしてライブ中にチップをもらうほうがぼくたちのスタイルに合っていると思うんだ。ぼくが住んでいるアメリカは、いろんなところでチップが発生するしそれが普通だけど、日本にはそういう文化がないしはじめる前はどうなるか不安だったね。けれど、結構みんなたくさんお金くれるから驚いたよ。

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Jon

ヴォーン:それと、フリーエントランスにすることで、日本に住んでる友人たちも気軽に聴きに来てくれたりもするし、子供からお年寄りまでいろんな年齢の人が集まって、楽しい夜を過ごしてくれる。ぼくたちはほかのミュージシャンがやってるようなことをコピーするのではなく、独自のやりかたで活動していけたらいいと思っているよ。

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DSCF5903大人も子どもも踊り狂うThe Lagerphonesのライヴ

Louis:バンドのパフォーマンスに対してチップをもらうっていうやりとりは、メルボルンのパブカルチャーではとても普通のことなんだ。メルボルンのパブでは友人や家族たちと楽しく過ごすなかで、常に店内でバンドが何かしらの曲を演奏している。現地のミュージシャンのなかには、ぼくらが日本でもやっているように、45分くらいのライヴセットを一晩で3回演奏する一日を週に5日繰り返す、みたいな生活をして自身のスキルを磨いていく人が多い。もちろんぼく自身もそうだったし、そうやってミュージシャンを育ててくれるメルボルンのチップ文化をぼくはとても愛しているよ。

——なるほど!The Lagerphonesのライヴはその演奏の素晴らしさもさることながら、そういったメルボルンのパブ・カルチャーを日本で体験できる貴重な機会でもある、といえるかもしれませんね。

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Louis

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Marty

——ところで、The Lagerphonesの音源は現状ライヴ会場で買えるCDのみでのリリースになっていますが、spotifyなどのストリーミングで聴けるようにしたり、レコードで出したりする予定はないんですか?個人的にはぜひ配信もヴァイナルもリリースしてほしいと思っているんですが…

James:リリースのかたちに関してはメンバー間でもいろんな意見はある。でも、みんないまのスタイルで満足しているよ。CD限定でのリリースは、日本の文化にもフィットしていると感じるし。

Ben:あとCDはオーストラリアから持ってくるのがラクだしね(笑)。でも、プロモーションの意味もふくめて、最新アルバムはいずれストリーミングでも聴けるようにしようかと考えているよ。

James:レコードは、誰かが予算を出してくれればリリースします(笑)

ヴォーン:レコードやストリーミングとかの話はミュージシャンとして活動するにあたっては必要なものだとは思う。でも、The Lagerphonesにとって最も重要なのは、この4年間でたくさんのひとが彼らのライヴに足を運んでくれたこと、そこでたくさんCDを買ってくれたり、友達になってくれたりすることなんだ。ライヴを一度でも観てくれた人はそれから何度も見に来てくれるし、たとえば今回の大阪のライヴでは、以前東京で知り合っていまは関西に住んでいる友人が、今年もまた来てくれた。そういった関係を築いていくことがこのバンドのジャパンツアーをうまく回している根本にあるものだと思っている。将来的にはバンドが大きなミュージックフェスに出たり、ラジオに出演したりするのも歓迎すべきことだけど、いまは小さなヴェニューや距離が近い空間で、来てくれた人たちと親密な関係を気づくことに注力している。実際にバンドのパフォーマンスに触れて、彼らの良さを知ってもらいたいと思っているよ。

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——音源も大事だけど、ピースフルでフレンドリーなThe Lagerphonesのライヴ・パフォーマンスやメンバーのパーソナリティこそがバンドの最大の魅力、ということですね。実際にライヴを観てみると、ヴォーンさんの言うことには大変説得力があると感じました!日本でのライヴツアーは来年も行われる予定なのでしょうか?

James:もちろん!来年に限らず、できるだけ毎年日本で演奏し続けたいと思っているよ!

——メンバーが全員おじいちゃんになっても?(笑)

Ben:そうできればいいね!(笑)少なくとも80歳くらいまではやりたいね。

Jon:(笑)そのときは滞在中に1,2回しかライヴできなくなってるかもしれないけど(笑)

——(笑)。では最後に、ちょっと気が早い話ですが、来年のツアーに向けて何か決まっていることはありますか?

James:今年みたいに東京と関西で演奏することはまちがいないと思うよ。ほかはまだ何も決まっていないけど、福岡とか、日本のほかのエリアでもライヴしてみたいなと思っているよ。あとは韓国にも行ってみたい!

ヴォーン:今回のツアーでは一つのライヴで100人くらい集まってくれたこともあったから、来年は倍にできたらいいね!(笑)

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