MANON & YUPPA「 TEENAGE DIARY 」リリース スペシャルインタビュー&アルバム全曲解説

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TEENAGE DIARY 全曲解説

1. xxFANCYPOOLxx

——それでは、ここからは二人にアルバム収録曲について1曲ずつ簡単に解説してもらいたいと思います。まずはトラック1のMANONさんのデビュー曲でもある「xxFANCYPOOLxx」から。

Y:出会ったころの彼女が14才だったってこともあって、最初に出す曲は映画「ロリータ」の曲をMac Miller「Knock Knock」みたいにサンプリングしてラップしたら最高かも!って思ったんです。これを作ったのはLil Yatchy「One Night」がリリースされる前だったんですけど、リリース後だったらまた違う感じになってたかも。歌詞については、MANONちゃんとのやり取りの中で、ティーンの感覚って、セルフィーなんかの表面的な要素は変わっても、考えていることはわたしが高校生のときと一緒なんだなって気づいたんですよね。当時のわたしが考えてたことを、MANONちゃんや時代のフィルターを通してアウトプットして出すのもアリなんだなって。そういうやり方がこの曲で確立して、その後がやりやすくなったかもしれないです。

M:わたしは歌も初挑戦なのにいきなりラップでびっくりしました(笑)ラップ自体もそれまで聴いてこなかったので、YUPPAさんに教えてもらいながら、どういう感じなのか探りながらレコーディングしました。

Y:MANONちゃんは勘がよくて、なんでもすぐできちゃうので非常に助かってます。あと度胸があるというか、肝が座ってるんですよね(笑)

2. COCO BOI ROMANCE feat.Ryan Hemsworth

Y:この曲はコラボレーションの役割分担がすごくわかりやすくて、わたしが歌詞とメロディをRyanに渡して、Ryanがそれに合わせて曲をアレンジして、最終的なトラックを作ってくれた、というやりかたでした。彼に渡す時点でMANONちゃんの歌は全部録り終わってましたね。RyanにもKKBにも「良かったら使ってね」っておまけの声の遊び素材(Yeah、まじー、など)を曲といっしょに渡してるんですけど、どちらもそういうのまで楽しんで使ってくれていて、すごく嬉しかったです!

——「マンゴーのないマンゴープリン」って歌詞が素晴らしいですよね。女の子たちだけで話してるとき、テンションが若干悪ノリ感のある方向に行ったときに出てきそうなフレーズだと思います(笑)

Y:ことば選びに関してはMANONちゃんが引き出してくれている部分もありますね。わたしも彼女も女子校出身で、なんか女子校ノリが完全にいっしょっていうか(笑)

——「やばー まじー うけるたぶんもはやきてるハートリアルにドキー(((❤))) そー たぶん そー よくわかんないけど たぶん そー」ってところも最高ですよね。この部分で何も言ってない(笑)

Y:そこ、わたしもすごく気に入ってます(笑)女の子同士の話って、心で通じ合っちゃうからテキストにすると内容ないんですよね。”リアル”には「内容がない」ってこともたくさん含まれてるって気がついて、その内容のない部分も歌にしたかったんです。あと、カラオケ行ってここを完全に歌えたら最高!って友達同士で盛り上がれる部分を作りたかったってのもありますね(笑)

M:わたしもこの部分すごく好きなんですよねー。レコーディングはめちゃ時間かかりましたけど(笑)

3. SWIPE feat.Kero Kero Bonito

Y:”SWIPE, SWIPE”という部分の曲のアイディアはずっとあって、それをかたちにした曲です。この曲の役割分担は結構複雑です。最初はいまのヴァージョンとは別のサビメロが入ってたりね。それがなかなかうまくまとまらず、Rae Sremmurdの「Powerglide」とかBAD HOP「Kawasaki Drift」なんかをめちゃくちゃ聴いてアレンジし直してみたり。結局どちらの曲にもまったく似てないですけど(笑)。KKBと何度もキャッチボールして、それぞれのアイディアを合わせていくやり方になりました。この曲は楽曲もリリックもわたしとKKBが半々。トラックは各楽器ごとにひとつひとつ検証していかないと説明できないですね。

4. WAVY PINEAPPLE DAYS

Y:これは誰に言っても信じないとは思うんで(笑)、信じなくてもいいですよって前提で話すんですけど、Cho Wavy De Gomenneがリリースされるより前にこの曲はできてたんです。「WAVY」って言葉が流行ったときに「なんかこの単語を入れた曲作ったらおもしろいなー」と思ってたら、あの曲が先に出て流行って「それみたことか!」って(笑)あちらはめっちゃ人気出ましたけど、この曲はテイストが全然違うし、当時みんな「WAVY」って言ってたからまあいいかな、と思ってそのまま出しちゃいました。

M:歌詞の中で、スマホとかケータイじゃなくてあえてセルフォンって歌ってるところが気に入ってます.セルフォンとか普段の生活では言ったことないし周りでも言ってるひとに会ったことないですけど、自分発信で友だちとかティーンの人たちがみんなセルフォンって言い出したらいいな、みたいに思って(笑)

Y:歌詞でいうと、ラップでよく聞くとは言えさすがにMANONちゃんにBITCHなんて言わせられないなー、ってことで代わりにWITCH(魔女)にする、みたいな遊びを入れたりしてます。もっとEXPLICITな感じも個人的には好きなんですけど…まあ、MANONちゃんらしくないからな、と思っていまのところは自主規制しています(笑)

5. SOMEWHERE

——この曲はほかの収録曲とちょっと雰囲気が違う印象を受けました。レゲエな感じというか。

Y:レゲエというか、裏打ちが好きなんです。去年の夏に裏打ちのいい曲がすごくいっぱい出ていて、それにインスパイアされて「わたしも!」と思って作った曲です。同じ時期に、MANONちゃんも表情や考え方がそれまでより大人っぽくなったりして、内面もだんだん複雑になっていくように感じて。そんな彼女を見ていて改めて、女の子はあいまいな感情をたくさん持ってるんだよなって。女子高生もいつでもテンション高いわけじゃないでしょ(笑)。ぼーっとしてたり何とはなしに物思いに耽ってたり、そういう部分を表現した曲ですね。ローテンションな時の女子高生というか。”チルJK”ってイメージです。

M:この曲の「低速のWi-Fiにいらついて やつあたり」って部分は、全国の高校生が共感してくれると思います(笑)。あと全体を通して映画っぽいというか、曇り空って感じの情景が浮かぶ歌詞なので、歌うときにはその辺を意識しました。MVの映像がまさにマッチしている感じがします。

6. GOMENNE GIRL

Y:この曲を作ったときがClairoとかCucoとかのベッドルーム・ポップが盛り上がってきた時期だったんですよね。それと、音楽でもファッションでも80年代の感じがまたいいなと思って、そのふたつを合わせたら面白いかもと思って作りました。結果ちょっとMikadoっぽいねと言われたり。レコーディングでは、むかしフランスの女優さんとかフランス・ギャルなんかが、日本語で片言のポップスを歌ってたりしてたので、MANONちゃんにも「ちょっとカタコトっぽい感じで歌ってみて」ってディレクションしたりしてます。歌詞が全部否定で終わってるのは、うーん、女心ですかね(笑)してほしいのかしてほしくないのか自分でもわからない、みたいな感情って恋愛の初期には常にあったと思うので、そういうもどかしさとかいじらしさを表現したかったんです。

7.BEAT THE BAD LUCK

Y:わたしもMANONちゃんも「ROOKIE YEARBOOK」が好きで、この曲にはその感じと、MANONちゃんが好きだったUNIFとか90年代の「CUTiE」みたいなファッションのイメージも入れて、ちょっと90年代っぽいインディー・ロック、いまでいうFrankie Cosmosみたいな感じでやりたいと思ってできた曲です。歌詞もインディー・ロックとかガールズ・パンクとかによくあるテンプレート的な歌詞を日本語のポップスにそのまま落とし込んだ感じですね。超初期の、「女子高生の日常を切り取る」というコンセプトが固まる前にできた曲なので、マナーにのっとった歌詞を使ってやってみようと。「でんわ」っていう部分だけはMANONちゃんに「使う?」って確認しましたけどね(笑)

8. 2 LIVE IN A REAL WORLD

Y:これはLil Peepが亡くなる前あたりに書いた曲。ラップの人たちがロックを入れたり、パンクを入れたりしてきてたのが面白くて、そういったやり方、考え方に影響された部分があります。Tyler the creatorのFlower Boyってアルバムがすごく好きなんですよ。ヒップホップでオルタナティブな感性もあってインディーの若い才能もフックアップできて…、って以前にも増してあり方がすごくかっこいいなって。その辺のエッセンスを取り入れられないかと思ったとき、アメリカのオルタナティヴなラップ・シーンを見返してみると、やはり”チル”と”エモ”がムードとしてあるなと。その両方をこのアルバムにも入れたいと思ったんですね。そのエモ担当がこの曲です。やはりLil Peepとか、あとはM83の初期なんかのインディーのエモ曲も思い出してみたりして。あとNetFlixドラマのエモさっていうのも入れたくて。雰囲気だけじゃなく、ストレンジャー・シングスのイレブン、リバーデイルのジャグ・ヘッド、NetFlixじゃないけどGame of Thronesのジョン・スノウの名前を歌詞に入れてみたり。ジョン・スノウはちょっと毛色が違うけど、女子ノリでエモなドラマの推しメン並べた感じで(笑)「繰り返す日常のFANCY」っていう歌詞はアルバム全体のテーマでもあるんですが、この曲を作った当時のMANONちゃんから「大人になる不安」みたいなものが感じ取れたので、その辺も入れて。挙げてみるとめちゃくちゃ入れまくってますね(笑)

9. POPCORN CRISIS

M:わたし的にはこれは一番自分が入り込みやすい曲だと思っています。なんかライヴでこの曲を歌ったときとか、マネージャーさんからも「この曲のときが一番ノリノリだね」みたいに言われました(笑)

Y:わたしが高校生のころ、門限早いし夜は長いし、っていう毎日の中で何をしてたかっていうと、妄想なんですよね(笑)。家の中で長く過ごしてる感じって遭難してるっぽいなーって思ったところから、どんどんイメージを膨らまして行った結果こういう歌詞になりました。女子高生あるあるのひとつとして「いろんなこと妄想しちゃう」ていうのがあると思っているので、これはその部分の曲です。

——全曲解説は以上ですね。MANONさん、YUPPAさん、このたびは貴重なお話をお聴かせいただきありがとうございました。8月のリリースパーティも期待しています!

MANO & YUPPA©︎Rie Fukuda

リリース情報

MANON「TEENAGE DIARY」アートワークMANON 1st Album
「TEENAGE DIARY」
2018 年7 月 11 日(水)CD リリース
収録曲(全9曲)
1. xxFANCYPOOLxx
2. COCO BOI ROMANCE feat.Ryan Hemsworth
3. SWIPE feat.Kero Kero Bonito
4. WAVY PINEAPPLE DAYS
5. SOMEWHERE
6. GOMENNE GIRL
7. BEAT THE BAD LUCK
8. 2 LIVE IN A REAL WORLD
9. POPCORN CRISIS

ライヴ情報

MANON - TEENAGE DIARY Release Party
2018年8月29日 (wed)
at club asia (shibuya)Open 19:00
Door 2,500円(ドリンク代別)
※CD封入のインビテーションで500円割引。
MANONのInstagramフォローでさらに500円割引。

関連リンク

MANON オフィシャルサイト
ASOBISYSTEMプロフィールページ
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YUPPA twitter

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