クリント・イーストウッド「ホワイトハンター・ブラックハート」レビュー

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クリント・イーストウッド「 ホワイトハンター・ブラックハート 」を観ました。

気に入った作品しか撮らない職人気質の映画監督がプロデューサーを拐かしてアフリカでの撮影を敢行、しかし彼の本当の目的は彼の地で象を狩ることだった、というプロットから、イーストウッドによる「 8 1/2 」みたいな話、すなわちウディ・アレンの「 地球は女で回ってる 」やアルモドバルの「 抱擁のかけら 」のように、映画監督( 作家 )とはなにかを描くことで映画とはなにかを表現するタイプの作品なのかな、なんて思っていたのだけど、ふたを開けてみるとその他の彼の監督作と同様アメリカについての映画だった。良識あるコンサヴァティヴによるインテリジェントなアメリカについての映画。イギリスとアフリカを舞台にそれを表現してしまうのだからすごい。あと若干の狂気をはらんでいるし、象がたくさん出てくるところもとてもよいです。

ぼくはまだそんなにたくさん彼の監督作を観ていないけれど、クリント・イーストウッドの映画はどれもちゃんとしているところが好き。結婚に際して新郎が新婦の父親に初めて挨拶するときなにか映画を一本添える慣例があったらクリント・イーストウッドの作品を差し出しておけばまず間違いなし、みたいなタイプのちゃんとしてる感。小津でもいいがどこかありきたりだし、フューチャー義父に対する当てつけっぽくてなんか嫌だなあ、なんて思ってる人にはぴったりですね。とはいえ、ぼくなんかはもっと個性を出したいので、ビクトル・エリセとかアッバス・キアロスタミとか、今ならホセ・ルイス・ゲリンあたりを添えたいです。ちょっとかっこつけすぎですかね( 笑 )でも日本人監督じゃなきゃダメ、みたいな昔気質の人が父親世代にはまだ多いから、相手がそういう感じだったら北野武の抑えめのやつとかにしようと思います。市川崑だと怒られそうだし、本多猪四郎だと選んだ理由の説明がめんどくさそう。最悪山田洋次なら問題ないでしょう。

とりあえず、その際には相手の嗜好のリサーチは欠かさないようにしたいですね。

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