ピーター・ボグダノビッチ「ラスト・ショー」と木更津キャッツアイ

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ペーパームーンでおなじみピーター・ボグダノビッチ監督による「 ラスト・ショー( 原題:The Last Picture Show ) 」を観る。60〜70年代の映画の流れを地で行くアデュー・フィリピーヌ的モラトリアム映画。あるいはアメリカン・ニュー・シネマともいう。

1950年代のテキサスの片田舎、一度事件や恋愛のゴタゴタを起こせばすぐさま住民全員に知れ渡るような小さな街に暮らす若者たちの話で 主人公の大事な人が劇中次々と死ぬか、あるいは彼の近くからいなくなってしまうかする救いのないストーリーだったけれど、友人グループに白痴がいる、主人公にとってのセカンド・ファザー的な存在が途中で死ぬ、主人公が自身の通う高校の関係者である年上の女性と恋に落ちる、親友の恋人が実は主人公に好意を持っている、などドラマ「 木更津キャッツアイ 」と似たような状況が随所にあったのでとても楽しめた。これが元ネタだ、とは大声で言うつもりはないけれど、つまりは「 木更津ー 」とおなじく珠玉の青春映画、ということです。

雑然とした感想

基本救いがなく、atheisticな雰囲気であふれているが、要所でクロスモチーフやピエタが現れるところがやはりアメリカ映画、という感じだった。マイベストクロスモチーフはビリヤード場で犯されるジェイシーがビリヤード台の上辺両端のポケットに手を突っ込み指を絡め、足を閉じて相手を受け入れる場面。

あとはジェイシーのプールのシーンと、駆け落ち後のシーンが忘れられない。タンブルウィードも出てくるし。フェリーニにも似てるってことはたぶんハリウッド黄金期( 1920年代 )のマナーを忠実に再現してるってことなのだろう。やっぱりぼくはシネアストが作った映画が好き。

Scene from「 The Last Picture Show 」

しかしホントはそんなのどうでもよくて、ヒロイン役の若きシビル・シェパードがそりゃもうとにかく美しく、それだけでこの映画は傑作と言いはりたい。日本でもヒロイン橋本愛でリメイクしてほしい。そのときの脚本はもちろん宮藤官九郎でお願いします。

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