クリント・イーストウッド「アメリカン・スナイパー」レビュー 戦争を扱うことで戦争の悲惨さを訴える映画の中でも群を抜いてかっこいいんじゃないか

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アメリカン・スナイパー。

クリント・イーストウッドの新作「 アメリカン・スナイパー 」を観ました。簡単に感想を。

内容はbased on a true storyな元米軍狙撃手の話ですが、日本にはなぜクリント・イーストウッドがいないのか、もし彼が日本人だったら、例えば想像を絶するような悲惨な出来事や事故、災害の後でも、我々に確実にインパクト、あるいはポジティヴな意志を与えるような映画を彼は作り、その映画に救われる人がたくさんいただろう、なんてことを恥ずかしげもなく言えるような素晴らしい作品でした。

それはともかくこの映画、戦争を扱うことで戦争の悲惨さを訴える映画の中でも、この作品は群を抜いてかっこいいんじゃないかと思います。特にセリフ回しが抜群でした。主人公のクリスとタヤが出会ってから結ばれるまでの会話。敢えて汚い言葉や表現を使うトラディショナルなアメリカ軍兵士たちのコミュニケーション。( ちなみに私の考えるかっこいい戦争映画の次点はアメリカン・スナイパーとは方向性が全く違うかっこよさのロバート・アルトマン「 M★A★S★H 」 )

ストーリーでは何度かパラダイムシフトが訪れる。今すぐに思い出せるのは、クリスの最初の狙撃や最後の狙撃、目の前で戦友を失う瞬間など。そしてそのたびにアップで映し出される、主人公を演じるブラッドリー・クーパーの表情がホントに素晴らしかった。それはまるでカール・Th・ドライヤー「 裁かる〻ジャンヌ 」におけるルネ・ファルコネッティのようでした。

ところで「 グラン・トリノ 」と重なる部分があったのは、主人公がどちらも米兵だからなのか、それとも監督がどちらもイーストウッドだからなのか。私は彼の熱心なファンとは決して言えないので、その答えはわからないのだけれど。

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