マグリット展レビュー 取って付けたような言葉を並べて真相をはぐらかす

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ポスター ルネ マグリット 光の帝国

国立新美術館で開催されているマグリット展に行ってきました。

ルノワールやマチスのタッチを模倣した明るいシュルレアリスムとか雌牛派などと画家自身が呼んでいる時代の、一般的にあまり評価されていない絵画がの絵がたくさん観られたこと、そして休憩室で観られるマグリット自身が監督した、現在でいうならYouTube的な動画がすごくよかった。なかでも「 仮面 」というタイトルのムーヴィーがバスター・キートンみたいでとても印象に残る。

後期の作品に付けられていたキャプションがアメリカの「 LIFE 」誌のインタビューを基にしたものだったこと、さらにその内容もずいぶん設定などを詳らかにしていたが、あまりに理性的なので多分あれはウソ、というか一種のリップサービスだと思う。シュルレアリストたちは自ら作品について話すときは詩的な表現で真相はぐらかし、人に聞かれたときは取って付けたような言葉を並べて真相をはぐらかすイメージがあるので。

不思議の国のアリス、と題された絵画は彼の作品ではめずらしく一目でタイトルがわかる。もちろんアリスは描かれていないが。

今回彼の作品を初めて一度にたくさん観ることができて、マグリットはホントは写真を撮りたかったのだけど、彼の生きていた時代に写真で彼のイメージを表現する技術がなかったから仕方なく絵を描いていた、なんてことを考えた。現代に生きてたらフォトショップ大好きだったに違いないですね。

マグリット展公式図録
マグリット展公式図録

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ルネ・マグリット

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