日本対コートジボワールマッチレポート【FIFAブラジルワールドカップ2014】

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前半

試合開始前から大雨が降る中で始まった試合、日本は前から積極的にプレスし、高い位置で奪って早い攻撃を仕掛けようとする意図をみせるが、守備ブロックを作る際には選手の距離感が広く、危険を感じさせる。他方、コートジボワールは持ち前のスピードを生かすためにロングボールで日本の最終ラインの裏やサイドのスペースを狙いながら攻撃を繰り返す。コートジボワールは日本陣内でボールを保持している際のプレスが早く、日本はたびたび自陣でボールキープに苦労し無難なクリアでポゼッションを失う場面がみられるなど、前半10分が経過するまでは、なんとなくお互いに試合の主導権を握れずにせめぎ合いが続く。

そんななかで前半15分、ショートコーナーから細かくパスをつなぎ抜け出した本田が左足を振り抜きネットを揺らす。日本にとってのファーストシュートが得点に結びつく絶好のかたちで日本が先制に成功した。

これで勢いづいた日本はだんだんとアグレッシブなプレーが出始め、コートジボワール陣内でプレーする時間が増えてくる。コートジボワールは勢いに押されて落ち着いてプレーできない場面が相次ぐ。前半24分にペナルティエリア手前で得たフリーキックをヤヤ・トゥーレが狙うもこれは大きく枠を外れる。その後スコア的に優位な日本はボールをキープしたいところだが、コートジボワールの前線に人数をかけたプレスに苦しみ、なかなかペースをつかみきることが出来ず、逆にボールロストした後2列目と最終ラインの距離感の微妙さをついたコートジボワールが中央から持ち込み何度も日本ゴールを脅かした。

前半が終わる頃には、日本はオフェンスでは各人の距離感が広く、さらに攻守の切り替えに関してもあまり早くないためボールを奪取しても選手が孤立してはコートジボワールの選手に囲まれてボールを失い、なかなか危険な攻撃を仕掛けることが出来ずに前半は終了。逆にコートジボワールのスピードある攻撃をなんとか防ぎ、1点差を守りきってハーフタイムを迎えた。

後半

後半開始直後も前半終了時と同様、日本の不安定な守備によりコートジボワールがフィニッシュまで持っていく場面が多く、とはいえ日本も単独で行う前線のプレスが効いて前目でボールがとれたときはシュートを放つところまでいけるため、お互いにいつ点が入ってもおかしくない状況が続いた。なんとか状況を変えたい日本は後半8分に長谷部に代えて遠藤を投入。中盤での構成力を高めて主導権を握ろうとする意図をみせた。

しかしこの交代は十分に機能しているとは言い切れず、なかなかボールをキープできない日本。コートジボワールもこのタイミングでベンチからドログバを投入し攻撃への意識をさらに高め、日本は何度もシュートを打たれ危険な場面を作られては最終局面で防ぐ、という場面が相次ぐ。すると後半19分、ドログバを投入した直後にコートジボワールは右サイドからのアーリークロスをボニにがヘディングシュートを決め同点に。さらにその2分後にはまたも右サイドからのクロスをジェルヴィーニョが決めて一気に逆転を遂げた。

リードした状態から一転して窮地に追い込まれた日本は大迫に代えて大久保を投入しさらに流れを変えようと試みるも、リードしたことでゴール前に守備ブロックを形成しリトリートに徹するコートジボワールを前に崩しきることが出来ない。

後半も25分を過ぎると雨と気温に体力を奪われ出し、お互いに玉際でミスが目立つようになった。日本のプレスが甘くなりコートジボワールがボールをキープする中日本も果敢に追加点を目指すも連動した攻撃を繰り出せずボールを奪われては途中投入されたドログバを中心としたコートジボワールのキープやカウンターに苦しむ。終盤に吉田を前線に上げパワープレーに出るなど猛攻をしかけるも、結局そのままスコアは動かず試合終了。日本はコートジボワールに対して健闘しながらも後半の2連続得点で痛い逆転負けを喫してしまった。

日本とコートジボワール、それぞれの印象。

本田の高い個人技から得点を取ることに成功した日本ですが、やはり守備の不安が結構大きいような気がします。前線からプレスをかけるもそれは二列目や最終ラインの選手達と連動せず、言ってしまえば単独で行われていて、成功してもボールをとれなくてもただ体力を消耗してしまうのではないかと思ってしまう。しかしこれは今さら言ってもしょうがないことなので、以降の試合ではその守備の不安を大きく上回る攻撃性能をみせてほしいものです。

コートジボワールは逆にアフリカの国にしてはよく組織されたチームだった感じですね。守備も連動しており、日本の攻撃陣に本田の得点以外はあまり仕事をさせなかったと思います。そしてやはり特筆すべきはドログバ。彼が入るまで大したことなかったオフェンスが投入後劇的に変化したところをみると、こんなにわかりやすい個人のチームはいまどき珍しいですね。ともあれこのグループだと一番完成度が高いチームかもしれません。グループリーグ突破の第一候補。

日本も初戦負けかなり痛いですが、残りのギリシャ、コロンビアには油断しなければ勝てそうな気もするので気を引き締めてがんばってほしいです。

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