ブラジル対メキシコマッチレポート【FIFAブラジルワールドカップ2014】

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前半

開始から局面で激しいボディコンタクトが続くテンションの高い運びとなったこの試合、メキシコはサイドを広く使いながらブラジルゴールに素早く迫っていき、ブラジルはポゼッションしつつ高い個人技を生かしたコンビネーションで攻め込みつつ、互いに主導権を争っていった。

10分を過ぎると試合も比較的落ち着き、ブラジルが高いボール保持率を保ちながら前線のインスピレーションを頼りにメキシコ陣内を脅かし、メキシコは組織立った守備からカウンターの機会を窺う展開となる。メキシコはモチベーションが高く圧力のあるブラジルに対して最後のところで踏ん張るものの、かなり押し込まれなかなか自分たちのサッカーをさせてもらえない。

その後もテンションは衰えることなく進むが、メキシコもボールを持てる時間帯が増えはじめ、MFグアルダードやラジュンとの連携を中心に左サイドで攻撃を組み立てていくが出足の早いブラジルディフェンス陣を前になかなかチャンスを生み出せず。逆にブラジルはボールを奪ってからのショートカウンターでスピードのある攻撃を繰り出しメキシコゴールへと向かっていくが、やや強引さも目立って決定的な場面を作り出すには至らなかった。前半43分にはブラジルが中央の遠い位置からのセットプレーで2人がゴール前でフリーとなるチャンスを作り出すも、ここはGKオチョアがダヴィヂ・ルイズの1対1のシュートをスーパーセーブ。結局両者プライドの削り合い、というような激闘となった前半は、得点が生まれずに終了した。

後半

ブラジルは後半開始からMFラミレスに代えて、クロアチア戦でも縦の突破からいい働きをみせたFWベルナルジを投入。メキシコの堅い守備に対して個人技で突破しようとする色をさらに濃くしていった。後半2分には狙いどおりベルナルジが右サイドの裏へ抜け出し決定的なシーンを作り出したが、これはメキシコが辛くもクリア。後半も攻めるブラジルと守って少ないチャンスをうかがうメキシコ、という様相は変わらずに試合は進んでいった。

10分を過ぎるとディフェンスラインの上げ下げが機能しなくなり選手間のサポート距離がだんだんと広がってきたブラジルに対して、メキシコが局面でのコンタクトを制してボールを奪い、サイドをつかってチャンスを作り出すことが出来るようになってきた。

20分を過ぎ、ブラジルはFWフレッヂに代えてジョー、メキシコはFWペラルタに代えてFWチチャリートを投入すると、試合はかなりオープンな展開となり、両者ゴール前でボールが右往左往することになり、とはいえ試合のテンションはまったく下がらず、ところどころで激しいコンタクトが続いた。後半30分にはメキシコがゴール前中央で得たFKをドス・サントスが狙うが壁に阻まれると、そこから一気にブラジルのカウンター、ネイマールの素晴らしいパスからでジョーが抜け出すもオチョアに阻まれるシーンがあるなど、どちらにも得点のにおいがする気の抜けない展開に。

ブラジルは怒濤の攻撃をみせるが、この日のオチョアは神がかり的な活躍をみせており、40分にも左サイドのセットプレーからチアゴ・シウバの強烈なヘディングがメキシコゴールを捉えるが、これもオチョアがスーパーセーブ。アディショナルタイムになると観客のテンションも最高潮になってきたのに合わせて、両者ともに一撃必殺のパンチの打ち合いのようなシュートの応酬となり、得点が生まれないことが理解できない雰囲気に包まれたが、結局試合はそのまま終了。両者痛み分け、という言葉がふさわしいスコアレスドローで勝ち点1を分け合った。

ブラジルとメキシコ、それぞれの印象。

ブラジルは第1戦と変わらず、攻撃は高い個人技と局面のインスピレーションに頼り切った内容に終始しているため、状況によって戦況が大きく変わる、不安定な戦い方になってしまったような気がします。とはいえ今回の試合はお互いに高いモチベーションを前面に押し出してきたので、それはポジティブな方向に回ったし、たとえ上手くいかなくても頼るインスピレーションが世界最高レベルなので、なんとかなってしまうのがブラジルの怖いところですね。

一方のメキシコはホスト国であり優勝候補に対して果敢に挑み、勝ち点1をもぎ取った、という印象が強かったです。そして特筆すべきはGKオチョアの活躍。キーパーがこれほど活躍した試合だったのでなんとかメキシコにいい結果をもたらしてほしかったのですが。まあ勝ち点1でも大健闘ですね。

これを受けて第3戦が非常に魅力的になりましたね。おそらくブラジルはカメルーンに勝ちますけど、メキシコ対クロアチアがもうとんでもないことになりそうで今からゾクゾクしてしまいます。

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