スペイン対オランダマッチレポート【FIFAブラジルワールドカップ2014】

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前半

グループリーグ第1節から前回大会決勝戦の再現となったこのカード、オランダはディフェンディングチャンピオンに対して最終ラインに5人を置く布陣、一方スペインはブラジル出身のFWジエゴ・コスタが先発で試合は開始した。

開始直後、スペインはいつものようにボールを持ちながら相手の出方をうかがう一方で,オランダは最終ラインをかなり高く保ち、中盤でのスペースを消してボールを持たせない意図をみせた。攻撃に関しては最終ラインからスペインディフェンスの裏を狙うロングフィードを中心に組み立て、攻守にわたり連動。前半7分にはロッベンのスルーパスからスナイデルがシュートを放つなどチャンスを作っていく。スペインはオランダの最終ラインにボールを放り込んだクリアのセカンドボールが落ちてくるあたりにプレスをかけはじめるゾーンを置く守備に苦しみ攻守の切り替えが上手く行かず。開始からしばらくはオランダペースで試合が進んでいった。

しかし前半20分ごろから、中盤に動きが出てきてオランダのディフェンスラインをじわじわと下げることに成功したスペインが中央での細かく素早いパス回しでゴールを脅かしはじめる。そして前半27分にはシルバ、イニエスタの素晴らしいパス交換からチャビの最終ラインへのパスに抜け出したジエゴ・コスタが倒されてPKを獲得し、これをシャビ・アロンソがゴール左隅に決めスペインが先制に成功した。

前に出ざるを得なくなったオランダは高いフィジカルを生かしボールを強引に奪取して中盤の選手がパス&ゴーで局面を打開するなどしてスペイン陣内に攻め入っていくが、なかなかフィニッシュまでいけない。わずかにペースを落としボールを回しながら試合をコントロールするスペインは前半40分、わずかに空いたスペースにイニエスタの素晴らしいパスで最終ラインを突破したシルバがループシュートを放つもこれはキーパーにセーブされる。

ところがハーフタイム直前の前半44分、スペインディフェンスに訪れたラインの乱れの一瞬の隙を付き、試合を通して続けていた最終ラインからのロングフィードからファン・ペルシがゴール。試合を振り出しに戻し前半は終了した。

後半

突然降り出した雨の中はじまった後半。前半と同じく中盤での激しい潰し合いが続くなか、後半8分、左サイドからのロングボールにジェラール・ピケのマークを外したロッベンが抜け出した早々と逆転に成功。追いつきたいスペインは攻勢に出るが、逆に前線にスピードのあるオランダにカウンターを受け危険なシーンを何度も作られるなどなかなか主導権を握ることが出来ない。すると後半19分、左サイドで得たセットプレーからデ・フライが押し込み3点目。スペインはペドロとトーレスを入れさらに前がかりになった直後に追加点を奪われることとなった。しかも攻勢に出るためシャビ・アロンソを代えたスペインは中盤での支配力が低下し、プレスの早いオランダに対して非常に苦しむ展開になり、後半27分にはカシージャスがバックパスを軽率なボールコントロールミスし、それをファン・ペルシーが奪い無人のゴールへシュートを決められオランダに4点目、そして後半31分にはカウンターからロッベンにこの日2得点目を決められるなど、スペインは守備が完全に崩壊。スペインにとっては厳しい初戦となった。

スペイン、オランダそれぞれの印象。

誰もが予想しない大敗となってしまったスペインですが、できるだけポジティブに考えるならこれまで決勝まで勝ち進んだ大会全て初戦で勝ったことがないので、これまでと同じスタートを切れた、ということでしょうか。しかしそれにしても5点とられての負けはチームとしてのダメージが大きい。やはりリーグ戦で最終節ま全力で争った、あるいはチャンピオンズリーグ決勝まで戦ったマドリー、バルセロナ、アトレティの所属選手が主力に多いためコンディションが整っていないのが大きいのかな、とか思います。言い訳がましいですけどそう考えざるを得ない。とにかく頭を切り替えて、戦力的には一番高いというのは揺るがないのでなんとか立ち直ってほしいです。

一方のオランダは前回王者に大勝と、これ以上ないスタートをきれました。運動量が多く、前線のスピードを生かした戦術がぴたりとハマったことで得た自信はすごく大きいのではないかと思います。ディフェンスラインに若い選手が多いので、彼らには相当プラスに働くはずです。このままの勢いでなんだか決勝までいってしまうような気がしますね。

いやしかしスペインびいきの僕にはショックが大きい試合だったな…繰り返しになりますがなんとか立ち直ってほしいです。

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