山内マリコ「アズミ・ハルコは行方不明」文庫版のかっこいい表紙の元ネタは…

Post Date:27/09/2016 Modified Date:

  

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古書店で山内マリコ「アズミ・ハルコは行方不明」の文庫本をみつけた。ハイパーかっこいいジャケットの写真(上記画像参照)は数年前にアメリカの掲示板サイトRedditで話題になりネット上でヴァイラルしていたものらしい。小説の文庫化にあたりこの写真を表紙に使いたい、という著者の要望から、幻冬舎の編集者が持ち主を突きとめ(持ち主が偽名で運営していたsoundcloudのアカウントからアプローチしたとか)、晴れてジャケットに使用することができたという。

この話はジャケットになるまでの事の顛末を写真の持ち主がブログで書いていたから知ることができたのだが(記事のリンクを辿るとこの写真の出自や写っている人物についてもいくらかわかる)、今ではブログを読んだことをちょっと後悔している。いろいろと知ったことでたまらなくキュートな異国の少女たちの写真が以前より魅力を失ってしまったような気がしているからだ。
だってほら、マルセル・デュシャンの「泉」に使われた男性用便器の製造メーカーや設置される場所がわかったらちょっとイヤじゃないですか。呪いは誰がかけたか判明するとその効力を失くす、ギャング映画は悪の親玉が出てきたところで物語の終わりが見える、アンドレ・ブルトンは手で温めるとピョンピョン跳ねる豆ジャンピング・ビーンズをみて「神秘的だ!詩的夢想を刺激する!」と興奮したが、いっしょにいたロジェ・カイヨワが「これは豆の中に虫がいて、温めることで中の虫が跳ねているからだ」と言いながら割ってみせると「この合理主義者が!」と激怒してそれ以来彼と袂を分かったという。バンクシーがmassive attackの3Dかもしれない、なんて話は積極的にスルーすべきだと思う。

何かにつけて元ネタや起源を探るのが好きだし、それで楽しさが増すことも多々あるので今回のケースはしかたないことではある。一方で、今年出たrelaxのNguanの記事で知らずにいることの良さも学んだ。結局どっちつかず。知ってよかったことと、知らなければよかったことで揺れる日々をこれからも繰り返す気配濃厚である。

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