篠山紀信「 快楽の館 」展に行ってきた。原美術館の館内で実際に撮影したヌード写真を等身大、あるいはそれ以上の大きさに引き伸ばし、撮影したところとほぼ同じ場所に配置することで「 この場所にこのモデルが実際に存在してヌードになって写真を撮っていたのか 」、というような短期的ノスタルジーをくすぐる展覧会。写真展というよりは、原美術館という歴史のある建物とそれが生み出す空間すべてを生かしたインスタレーション、といったほうがいいかもしれません。
その他詳しくは以下のサイトをチェックしてみてください。
■2016年9月3日[土]-篠山紀信展 「 快楽の館 」[原美術館]
実際に鑑賞してみると、「 快楽の館 」というどこか耽美というか官能的なタイトルとは逆に、いやむしろタイトルどおりかもしれないが、男友だちとわあわあ騒ぎながら回るのが似合うな、と感じた。嚙みしめるエロスではなく、発散するエロス。あるいは図録を先に買って 展示写真と照らしながら観るのもよさそうである。展示を観覧に訪れたひとびとも、あなたたちの想像し得る、美術館によくいるタイプではまったくなく、( 当たり前だが )本能的に女性の裸を好む男のひとがたくさんいた。篠山紀信ファンに男性が多いのは必然ですけれど、それゆえに少し異様な雰囲気の展覧会でもあったと思う。
壇蜜をはじめとした被写体のヌードモデルのことを知らないほうがアートとして楽しめるのだろうが、残念ながらわたしはほとんどの人を別の場所で観たことがあった。それがどこかは推して知るべし。

もちろん建物も主役なので、訪れる時間や季節によってだいぶ印象が変わると思う。1月までやってるみたいだから 冬の夕暮れどきにまた来てみたい。ポール・デルヴォー感が増しそう。作品は館内のいろんなところに潜んでいるので篠山GO気分も味わえます。






