去る11/27、銀座一丁目にある商業施設「キラリトギンザ」の12F&RFにグランドオープンしたミュージック・ヴェニューPLUSTOKYOに行ってきました。
PLUSTOKYOについて
PLUSTOKYO(プラストーキョー)は、音楽を軸に、アート、フード、エンタテインメントなどさまざまなカルチャーが混ざり合いながら共存するような、あたらしいプレイスポットのかたちを提案する次世代型ミュージックラウンジ。世界各国で活躍するミュージシャン&DJのパフォーマンスを楽しめるナイトクラブはもちろん、ランチやティータイムの時間帯にもオープンしているそうで、昼夜問わず、いろんなかたちで音楽に触れ合うことができるそうです。
今回は、そんな"これからのトーキョー"を象徴することになるであろうPLUSTOKYOの各セクションを実際に案内しながら、その魅力をレポートしていきたいと思います。
いっしょにレポートしてくれるのは、simonsaxon.comの人気コラムシリーズ「Ken Kobayashiのロンドンところどころ」でおなじみ、ロンドン生まれのシンガーソングライター&プロデューサーのKen Kobayashiさん。コラムでもたびたびミュージック・ヴェニューへの深い関心と知識を見せつけている彼の視点から、PLUSTOKYOはどのように見えるのでしょうか。
それではさっそく各セクションを見て回っていきましょう。
カウンターに盆栽がディスプレイされるなど、モダンながらも日本的な要素を感じさせるエントランスを抜けて…
GALLERY
すぐに現れるのは、PLUSTOKYOのアートな部分を象徴するセクションでもある展示スペース「GALLERY」。こちらのギャラリーでは、国内外問わずさまざまな芸術家たちの作品を展示していくとのことです。オープニングウィーク期間にはJunpei Inoue、DEADKEBAB、TORI.、玉山拓郎、SKYDIVING MAGAZINEといった新進気鋭のアーティストによるネオンライトを使った作品が掲げられる「NEON MUSEUM」の展示が行われていました。
LOBBY
続いてはイベント時にメインフロアとなるLOBBY。このセクションの内装は、欧米のホテルのラウンジをイメージして作られているそうです。都会の喧騒から離れ、落ち着いた雰囲気でひとときを過ごすにはぴったりな居心地のいい空間になっています。
LOBBYの壁には、訪れた人の誰もが目を奪われること間違いない、美しい富士山の絵が直接描かれています。これは現在日本に二人しかいないと言われている銭湯背景画絵師(ペンキ絵師)のうちのひとり、中島盛夫氏の手によるものだそうです。
ちなみにこの富士山の銭湯絵の背後にある通路には、LOBBYの絵と対となる赤富士の絵も描かれています。ふたつの富士山の絵で、昼と夜でそれぞれの顔を持つPLUSTOKYOの二面性を表現しているのだとか。
MAINBAR
こちらはLOBBYに隣接しているMAINBAR。フロアの端から端をつらぬくように長く伸びるバーカウンターのサーフェスはアスファルトで作られているとのこと。アーバンさとストリートさを同時に表現する素敵なアイディアですね。Ken Kobayashiさんによると「このLOBBYやMAINBARの雰囲気は、イーストロンドンにあるAce Hotelっていうおしゃれなホテルのロビーを彷彿させますね。とても素敵です」とのことです。
ROSE
MAINBARとは逆側のLOBBYの隣にあるのは、壁全体がピンク色にライトアップされたインパクト大なセクションROSE。アヴァンギャルドながらどこか昭和のラウンジ的なつかしさも感じる不思議な空間になっています。ティータイムにはここでアフタヌーンティーセットなどの女性限定メニューが楽しめる予定とのこと。クラブタイムにはVIPルームになるそうです。
数々の大物ミュージシャンたちが立つことになるであろうDJブースはROSEとLOBBYの間をつなぐ場所に設置されています。オープニングウィークにはTei Towa、☆TAKU TAKAHASHI、Yuka Mizuhara、DJ FUMIYA、Licaxxx、中田ヤスタカなど、日本を代表する人気DJたちがパフォーマンスをしていたようです。
ちなみにPLUSTOKYOのサウンドシステムにはPioneerのスピーカーを採用、店中に48台設置してあるスピーカーから、店内のどこにいてもプレイ中の音楽を体験することができるそうですよ。
POPBAR
MAINBARのほかにも、あらゆるドリンクが楽しめる特徴的なバースペースが二ヶ所用意されています。そのうちのひとつがROSEの横にあるPOPBAR。ポップアップ・ショップのようなコンセプトで、期間限定でさまざまなお店とのコラボが展開される予定とのこと。オープニング時は西麻布にある世界初のBIO日本酒専門店「twelv.」によるスペシャル・バーが展開されていました。
Mixology Spirits Bang(k)
そしてPOPBARの奥にはショップ・イン・ショップののようなかたちで展開される「Mixology Spirits Bang(k)」があります。ここはカントリー・クラフト・スピリッツ(国内で作られた蒸留酒)をメインに使用したカクテルの専門店。国産のウィスキーやジン、ウォッカ、ラム、スピリッツ、焼酎などを使ったカクテルが楽しめるそうです。カクテルの名前はUnderworldやCall Me Maybe、Wake Me Upなど、ミュージシャンの名前や曲名などから採用しているので、音楽好きはメニューを眺めているだけでも楽しいかもしれません。
SALON
Mixology Spirits Bang(k)の隣には、アーティストWataru Komachiさんがアートディレクションを手掛けたSALONが。シックなグレイ一色の壁をキャンバスにして、パンクなアティテュードやピースフルなイメージを感じさせるメッセージがグラフィティスタイルで部屋じゅうに描かれています。モードとパンクの融合、といった感じでしょうか。このSALONは会員制VIPルームとして使用されるとのことです。
ROOFTOP
そしてSALON奥にある階段を上がると、ROOFTOPへ出られます。ここは約180坪という、ルーフトップスペースとしては銀座で1、2を争う広さを誇るのだとか。ここはKen Kobayashiさん曰く「イースト・ロンドンのストリートマーケットみたいな雰囲気も感じさせる場所」だそう。眼下には銀座の街並み、北側にはスカイツリー、南には東京タワーが観られる、という"トーキョー"をひとまとめにしたような贅沢な景色が堪能できます。フード&バーカウンターも設置されており、夏〜秋のはじめ頃にはバーベキューテラスやビアガーデンとして利用できるようです。もちろん今後は、ROOFTOPでのDJイベントも予定されています。
FOOD
最後にPLUSTOKYOのフードメニューを簡単にご紹介します。PLUSTOKYOで楽しめるフードはすべて中華料理や中南米料理など、さまざまなジャンルの料理を東京のフィルターを通してクロスオーヴァーさせたものになっているそうです。
ランチタイムをはじめ、食事をしっかり楽しみたい人にはうれしいグリル系のメニューやパスタなども豊富に用意しています。さらにクラブタイムにはお酒とともに楽しめるメニューも充実。下の写真はランチ、ナイトタイムとシーンを選ばず楽しめるPLUSTOKYOの一押しメニュー「湖南スパイスチキン」。
また、さまざまなジャンルの"食"のクリエイターとコラボメニューも楽しめるそう。現在提供中のPLUSTOKYOバーガーは、東京のTHE GREAT BURGERと大阪のCRITTER BURGER、東西の名店がコラボして作れらたここだけのスペシャル・バーガー。
原宿goodtown doghnutsとのコラボ・ドーナツは15:00〜17:00のティータイム限定メニューだそうです。
Ken KobayashiからみたPLUSTOKYO
さて、ひととおりPLUSTOKYOの施設を回り終えたところで、この辺でKenさんのPLUSTOKYOについて抱いた印象を訊いてみましょう。ロンドンをはじめとした世界のクラブなどと比較して、Kenさんの目にPLUSTOKYOはどのように映りましたか?
Ken Kobayashi「この場所は、世界のヴェニューのトレンドを知り尽くした人によって、いろんな場所のいい部分を上手に取り入れて作られているんだな、と感じます。それに昼夜問わず一日中オープンしていることがいいですね。ロンドンでは法律とかもあっておしゃれなカフェやバーでも、深夜には閉まっていることが多く、クラブとして営業しているところは昼にはオープンしていなかったりするけど、それらのすべての要素をもったヴェニューが1日通して同じ場所でオープンできるってのは、少なくともロンドンではあまり類をみない形態です。いろいろな事情がクリアになる東京だからこそ可能なスタイルなのかもしれない」
Ken Kobayashi「それとコンセプトにも掲げられているとおり、音楽やアート、フードなどのさまざまなシーンが交差して、コラボしやすい場として設計されている感じもしますね。たぶん単純に遊びに来る人だけでなく、ここでDJをやったり演奏したりするミュージシャンにとってもクリエイティヴな気分を刺激される場所なんじゃないかと思います。いろんなカルチャーが絡み合った空間だからこそ『同じ空間でおなじ音楽をエンジョイしているんだから、だれが観客で誰がミュージシャンかとか関係ないよね!』って感じで、音楽を通して観客とミュージシャンとの垣根すらも壊してくれるような体験ができるんじゃないでしょうか。いまはいろいろなもの同士がコラボしていくことが当たり前で、いろんなものの垣根を作ることに意味がなくなってきている時代ですけど、PLUSTOKYOはそんな時代の空気を空間としていちはやく表現している場所といえそうですね」
まとめ
というわけで、PLUSTOKYOの各施設の紹介&レヴューは以上です。実際に訪れてみると、音楽を中心にあらゆるカルチャーの最先端なものを取り入れながら、どこか間口の広さ、空間としてのフレンドリーさを強く感じました。PLUSTOKYOは東京に集まるすべての人々を音楽やカルチャーを通じてつなげるような、ミュージックラウンジ以上の存在といっても過言ではないかもしれません。昼間は忙しない銀座の街並みから少し抜け出すためのオアシス的な存在として、そして夜は最先端のカルチャーが交差し、新たなカルチャーが生まれるソーシャルな空間として。時間帯や訪れる人によってさまざまに顔を変えるこのまったくあたらしい"オトナの社交場"に、みなさまもぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
取材・構成:Shumpei Shimosako
写真:Nao Okuno
PLUSTOKYOデータ
住所:〒104-0061 東京都中央区銀座1丁目8-19 キラリトギンザ 12F/RF
営業時間:月〜木 11時〜27時/金、土 11時〜29時/日 11時〜24時
URL:http://plustyo.com/
*特定遊興飲食店営業許可申請予定(12階、ルーフトップ共に)
直近のPLUSTOKYOイベント情報
PLUSTOKYO OPENING SPECIAL “STEVE AOKI+TOKYO”
日時:2018年12月14日(金) 22:00〜5:00
TEL:03-3563-3776
出演:STEVE AOKI
DOOR▷20,000YEN
PLAYGUIDE:http://iFLYER.tv/SteveAokiPlusTokyo