The Spandettesのリーダー、Alex Taitインタビュー

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一部の熱烈な音楽ファンの間で現在話題沸騰中のカナダ・トロント出身のディスコバンド、The Spandettesのバンドリーダ兼ボーカルを務めるAlex Taitのインタビューが、History Homeroomというブログで掲載されていました。

History Homeroom: Digging Deeper with The Spandettes

History homeroomはカナダ人のレコードコレクターで、Alex Taitの友人でもある人のブログのようです。以下日本語に訳してみましたので、どうぞご覧ください。

Digging Deeper with The Spandettes

リンク元:http://www.historyhomeroom.com/2014/04/digging-deeper-with-spandettes.html

The Spandettesは官能的なハーモニーを奏でる3人のシンガーと、それを支える素晴らしいバックバンド計10人で構成されている。音楽的にはジャズの恩恵を深く受けているが、2014年3月21日にTatooで行われたライヴにおいて会場全員に見せつけたように、彼らはエクセレントなディスコ・バンドでもあるのだ。
光栄なことに、The Spandettesのフロントマンで、コンポーザー兼アレンジャー、さらにアルバムの共同プロデューサーも務めているAlex Taitに、バンドの成り立ちからDo Right!Musicよりリリースされた彼らのアルバム「 Spandex Effect 」について、さらにはこれからの展望についてインタビューすることができた。以下がその全容である。

−まずはバンドの成り立ちを教えてください。最初あなたたちは「 The Spandex Effect 」と呼ばれていましたよね?

Alex Tait( 以下AT ):「 Spandex Effect 」ね。"The"はいらない。実際"The"を付けるかどうかものすごく悩んだの、今考えると馬鹿らしい話だけどね( 笑 )私と、ボーカリストの一人のLizzy ( Clark )と、ギターのKevinの3人で雑談をしていて、最近なぜいいガールズ・グループやコーラス・グループが出てこないんだろう、なんてことをを議論していたの。あと、あのライヴハウスは最高、あそこはよくない、とかね。そういう話をしている中で、ふと私とLizzyが歌いはじめたら、Kevinが「 いいじゃん!ていうか二人でそれやればいいんじゃないの? 」って言った。それで私たちも「 そうね!そうしましょう! 」って答えて、バンドを組むことに決めたの。それが「 Spandex Effect 」ね。最初は3人のボーカルのうち今のメンバーのMaggie( Hopkins )の代わりに、ニュー・ファンクのシンガーとしてソロでも活動していて、God Made Me Funkyのボーカルも担当してるDana Jean Phoenixって子が一緒に歌っていたの。だけど彼女は当時Julie Blackのバックボーカルをしてたし、他の仕事でもとても忙しくって、時間的に私たちと一緒にバンドをやっていくことは難しかった。それで最初のライヴをやるってことになったときに、彼女の代わりの誰かを探すことにして、学校で出会ったMaggieに決めたの。彼女はパーフェクトだったわ。初めて3人一緒に歌ったときはまるで魔法にかけられたように最高の時間だった。

−バンド名をThe Spandettesに変えた理由は?

AT:ひとつは「 Spandex 」っていうのが登録商標なんじゃないかと気づいて、もしかすると訴えられるかもしれないと思ったから。バンドがもっと注目されるようになったとき大きなトラブルに巻き込まれるのを避けるために、バンド名を変えることにした。The Spandettesって名前にしたのは、私とMaggieとLizzyがいくつかサイドプロジェクトをやっていたんだけど、その名前がThe Spandettesだったから、そのまま拝借したの。

−"Spandex Effect"というバンドと"The Spandettes"というコーラス・グループがあり別々に活動していたけど、コーラスグループがフロントの役割を担うようになったため、バンドが吸収されるかたちになったのかと思っていました。

AT:そんな風に考えるのもわかるけど、ちょっと違うわ。The Spandettesは二つの側面を持っているの。ひとつは私たちも含めたフルバンドとして。そしてバンドのフロントでもあるLizzyとMaggieと私のボーカル3人のガールズグループとして、という風にね。もちろん私たちボーカルトリオはバンドの中でも重要な役割を担っているとは思うけど、私たちだけでなく、メンバー全員が優劣なく意見を言い合って物事を判断しているわ。全員のアイディアや書いてきた曲を喜んで受け入れるし、絶対にフルバンドでなきゃライヴはやらないしね。

−それにしてもThe Spandettesは10人という大掛かりな構成で、エレクトリック・ジャズにファンク、ディスコ、ソウルまであらゆるジャンルの音楽を表現できるバンドですよね。これはあなたの家系における音楽的な伝統を引き継いでいると思いますか?特に、Manteca( 80年代に活躍したカナダのファンクグループ )で、重厚なホーン隊やパーカッションを引き連れて、ジャズに根ざしたエレクトリックなサウンドを奏でていた、あなたの父親の影響があるのでは、と考えているのですが。

AT:父親の影響は大きいと思うわ。バンドで演奏している曲のスタイルが私たちと同じだからではなく、彼もメンバー数の多いバンドをいくつも組んでいたという点においてね。Mantecaでの父親の役割はバンドリーダーではなかったけれど、それでもメインの作曲家の一人だったし、巨大なアンサンブルを組んでいろんなジャンルの曲をやっていた。当時彼がバンド運営にかなり苦労していたことを憶えているわ。彼のバンドメンバーもそう言っていたらしいけれど。例えば給料の話でバンドメンバーとやりあったりね。当時はメーリングリストで一斉に連絡なんてできなかったから、ひとりひとりに電話して、誰に連絡がとれたか表を作ったり...そういう意味では完全に父親の後を追っているかもね( 笑 )あと、父がトランペット奏者だったということもあって、私も管楽器の音色が大好きになったのだと思う。たまにバンドでツアーを回るのならホーンセクションの数を減らすべきだ、なんて言われることがあるけれど、そんな気にはなれないわね。だってホーンは私たちのサウンドのなかでかなり大きな位置を占めていると思っているから。人によっては必要のないものだと思われているみたいだけど、ホーンセクションこそがThe Spandettesを特別なバンドにしてくれていると感じているし、実際ホーンをプレーするメンバーは本当に素晴らしい演奏をしてくれているわ。

−それでは、これまでバンドメンバーをもっと増やそうと考えたことはありますか?例えばディスコ・ストリングスを組み入れるだとか。

AT:それは夢のような話ね。最初、正式なバンドメンバーには今の10人の他にもう一人、コンガやスティールパンを操るパーカッショニストがいたの。今回のアルバムでも「 Shine A Smile 」などで演奏しているけれど、あくまでサポートとしてリハーサルとかライヴとかに参加してくれている。私たちと一緒にフルタイムで動いてくれるスティールパン奏者やストリングス隊がいてくれたらそれは完璧だけどね。それにバリトンサックスを吹く人がいたら、4パートのホーンセクションができる。もしその全部をメンバーに入れることができたら、是非彼らを存分に生かした曲を書いてみたいわね。でも実際のところ、それだけの大所帯になってしまうと私たちにとっては少し窮屈になってしまうでしょう。ビジネス的な面でもそう。

−今回のアルバム「 Spandex Effect 」を制作するにあたって参考にした、着想の基となったアルバムや音楽家はいますか?

AT:アルバムでは私とKevinが主に曲を書いていて、Allison( アルトサックス、フルート担当 )が素晴らしいアレンジを担当してる。「 Hunk Of Heaven 」のアレンジは彼女によるものね。あとLizzyも少しだけ私たちに協力して曲を書いているわね。私とKevinが意識したのは初期のJamiroquaiや、Taveres、Point Sistersあたりかな。特にPoint Sistersにはとても影響を受けてる。バンドメンバーはみんな彼女たちが大好きだし、いずれ何かカヴァーしたいと思っているわ。他にもたくさんのミュージシャンを参考にしてる。ディスコ・ファンク時代のHerbie Hancockもそうだし、コーラスのハーモニーにおいてはDestiny's ChildやSupremesもそうね。でも正直に言って、今言ったようなミュージシャンを聴きながら曲を作ったわけじゃなくて、たまたまそうなっただけ。たいていの場合私たちはギター一本で作りはじめるの。まずはKevinがコードを考え、私がそれにメロディーをつける。そうやって骨組みができあがったらみんなでホーンアレンジやコーラスを加えて肉付けしていく。曲を作る二人にとって一番大事なのはハーモニーね。コードが素敵なものならメロディーは素晴らしいものになる。それが私たちのバンドで一番ジャズ・マナーなところだと思う。私たちはいつもハーモニーのことを考えているし、最もわかりやすいものにならないようにいつでも気をつけている。ここでいうハーモニーっていうのは二つの意味ね。ひとつはコードの転調のハーモニーで、もう一つはコーラスのハーモニーのこと。コーラスについても、いつも単純な三和音で音を三度ずつ積み重ねるのではなく、マイナーセカンドとかメジャーセカンドとか、いわゆる「 クランチー・ハーモニー 」をよく使う。そこから三和音に解決していくと緊張と緩和って感じがしてとてもエキサイティングだから。

−アルバムのレコーディングやポストプロダクションはどのように行われましたか?

AT:このアルバムはハンバー・カレッジの講堂でレコーディングしたの。独立したスタジオで録音したものはひとつもないわ。費用もすべてバンドメンバーのポケットマネーから出てる。額を聞いたら少なすぎてちょっと驚いてしまうかも( 笑 )そんな中でこれだけ素晴らしいものができたのはすべてメンバーのおかげね。レコーディング・エンジニアは私といっしょにプロデューサーもやってくれているAndy Prydeが引き受けてくれた。バッフルの使い方とかマイクのチョイスまで色々と教えてくれて、すごくお世話になったわ。ふたりでブースに入ってあーでもないこーでもないって言ってたわ( 笑 )彼は昔からの友人ということでノーギャラでやってくれた。編集はAndyのスタジオでやったわ。わざわざピーターボロまで出向いて、何日間もかけて徹底的に音作りをした。ちょっと神経質かと思われるくらいね。「 Maggieの声にアイソレーションをかけて 」とか「 トップの音が鋭いから直しましょう 」とか色々と。

−アルバム作成時の裏話みたいなものはありますか?

AT:できることならクレイジーなパーティストーリーを教えたいところだけど、私たちってすごくプロフェッショナルなバンドなのよ( 笑 )メンバーみんな、集まって演奏するだけで、それ以上のことはない。集まって、準備して、演奏して、ハグして笑顔で別れる。4時間きっかりでね。私たちはライヴハウスでどれだけただ飲みできるかにしか興味がないような、ただ騒ぎたいだけのバンドじゃないの。たとえばドラマーのMackはステレオタイプなドラマーのイメージとはかけ離れてるわ。彼はドライバーだからお酒は飲まないし、早起きだしね。しっかり者で、女にだらしなくもない。彼だけでなく、バンドのメンバーみんな真剣に取り組んでるし、おかげでとてもいい感じにすごせてると思うわ。裏話って言われたらそんなところね。メンバー全員みんなもっとクールなサウンドを作り上げることだけを考えてると思う。

バンドメンバーはみんなThe Spandettes以外にジャズバンドに参加してるのですか?このバンドは彼らにとっては楽しいパーティバンドのようなものなのでしょうか?

AT:半々ってところかしら。私たちはジョークで「 Lizzyはモータウンのエッセンスを、私はジャズの、Maggieはリズムアンドブルースのエッセンスをもたらしてる 」なんていつも言ってるんだけど、実際にそれぞれが今言ったようなジャンルの音楽活動もしているわ。LizzyはThe Intentionsっていうモータウン・サウンドのグループにいるし、私もジャズ・グループに参加しているし、MaggieもR&Bのライヴをやってる。びっくりするかもしれないけど、Kevinはいまカントリー・ミュージックをやってるのよ。二、三年前から急にペダルスチールを弾きはじめて、今じゃどっぷり。それ以外のメンバーは私と同じようにみんなジャズをやってると思う。ベースのMasonはロックバンドもやってる。Mackは15のバンドを掛け持ちして、あらゆるジャンルの音楽をやってるわね。彼のドラミングは本当に素晴らしいから。

ところでバンドにレゲエの要素を持ち込んだのは誰なんでしょう?高校時代にスケイター・パンクとレゲエにハマったあなたの影響でしょうか?

AT:レゲエのフレイヴァーがある「 Shine a smile 」はKevinが書いたもので、最初はインストゥルメンタルになる予定だったのだけど、彼が「 みんな女の子が歌っているのをみたがってるんだから、歌詞をつけなきゃ 」って言ったからあんな感じになったのよ。「 Dig Deeper 」にも少しアイランド系のバイヴスがあるけど、あれは私が書いたものよ。でも、私やKevinに限らずみんなレゲエ好きでしょ?嫌いな人なんている?

そんな人には知り合いたくないですね( 笑 )
ところでThe Spandettesが現在のレーベル「 Do Right! Music 」に所屬するきっかけはどんなものだったのですか?

AT:もちろんレーベル主宰のJohn Kongのおかげよ。彼とは昔からの知り合いでね。最初にあったのは、私の女友達の1人がSupermarketっていうライヴハウスのDJとのデートについて行ったとき。彼はそのDJの同僚で、たまたまそこに居合わせたの。そこで一緒に音楽の話していたら、すぐにThe Spandettesに興味を持ってくれた。ちなみにバンドのファーストライヴもSupermarketでやったの。土曜の夜にDo Right!のイベントをやってた彼が間を取り持ってくれてね。そのときには私たちのレコードをDo Right!から出したいと考えていたんだけど、当時はまだ規模の小さいレーベルだったからすぐにというわけにはいかなかった。結局、契約にまで至ったのは最初のライヴから2年くらい経ってからね。もちろんその間もいろいろと可能性を探ってはいたけど。

The Spandettesにとっては最高のレーベルだと感じます。

AT:私もそう思う。たぶん主宰のJohnがDJでもあり、流れを読む能力に長けているっていうのが大きいと思う。彼は単純にビジュアルの良さとかそう言ったもので契約を結んだりしないし、本当に音楽の良さに価値を置いていてくれるからね。だからこそアンダーグラウンドなソウルやファンク、ジャズミュージックを扱いながら、レーベル運営をしていけているんだと思うわ。

そのDo Right!から音源がリリースされてからと言うもの、CBC( カナダの放送局 )のラジオでバンドの音源が流れたり、Giles Peterson( ロンドンの有名ラジオ・パーソナリティー )に注目されたり、日本のチャートにランクインしたりしました。

AT:知ってるわ!G97( トロントのラジオ局 )でも流れたのよね?しかも私たちのCMまで流してくれてる。クレイジーな出来事よ。とても現実とは思えないわ...たぶん収入明細を見て実感が湧くまで言葉で説明するのはむずかしいかもね( 笑 ) ホントに理解の範疇を超えた出来事。日本での評価は特にそうね。日本には私たちのファンだって言ってくれる人がたくさんいるの。ツイッターでは彼らから「 Come to Japan! 」ってリプライがいっぱい届くし、私たちのアナログ盤からの写真をリツイートしてくれてる。すごく熱狂的に感じるわ。私たちをフォローしてくれている彼らにはできるだけレスポンスするようにしているし、コンタクトを取り続けて行きたいと思ってる。でも今のところ、そういう遠く離れた場所のファンも私たちも、おたがいを部分的にしかわかりあえていない気もするわね。私たちは自分の友達がライヴに来て盛り上がってくれることにしか慣れてないから。それとは違う感じ。CBCでは、先週はじめて私たちの曲が流れているのをカーラジオで聴いたの。すぐに車を止めて、しばらく興奮が収まらなかったわ。落ち着いてからは、私たちの曲は望まれてかかったんだと理解して、すごく嬉しかった。CBCに私たちの曲をかける義務なんてないからね。

ツアーを回る予定はありますか?

AT:これは話しておかないとね( 笑 )私たちは今TO Jazz Festival とMontreal Jazz Festivalに出演希望を出しているの。あとは日本にも行きたい!でも、10人のバンドを連れて日本に行くとなると約2万5000ドル( 約250万円 )もかかっちゃうから、おいそれと行くわけにはいかないのよ。私たちはミュージシャンだからそんなにお金貯めてないし。みんなに来てくれって言われてるんだけどね...でも夢のような話よ。彼らがお金を出してくれたら喜んで行くわ( 笑 )

ところで、バンドのサウンドの源流にあると思われる70年代の音楽についてついてはどのように考えていますか?やはり全体的にあなたにとって魅力的なものなのでしょうか。

AT:70年代だけじゃなく、それ以降から現在に至るまで、どの時代の音楽も魅力的よ。"Let's go to the beach"にはラテンハウスのグルーヴがあるけれど、それはさっき挙げたPoint SistersやHerbie Hancock、Jamiroquai、90年代に生まれたファンク・ソウルの曲なんかに影響を受けてると思うわ。

でも、今あげた曲たちも言わば70年代に先祖返りしたようなものですよね?

AT:まあそうかもね。70年代はキラー・チューンがたくさん生まれたとんでもない時代だったと思う。しかもまだまだ知られていない名曲も聴き尽くせないほどたくさんあるしね。70年代の曲には80年代にはないアナログなフィーリングがあると思う。もちろん80年代の楽曲にも好きなものはあるけど( 80年代にリリースされたポイント・シスターズのレコードとかね )、あまりシンセサイザーやサンプリングを使ってないものに惹かれるわね。The Spandettesにはドラムも、ホーン隊も、コンピューターではなく実際に人間がプレイした音を求めてる。フェンダー・ローズやワーリッツァーの音色が必要なのよ。安っぽいシンセ・ストリングの音ではなく、スペイシーで暖かみのある、魂のこもった音が。

現在次回作に向けて何か動いていますか?それともまだまだ現在の状況を楽しんでいる最中?

AT:少しずつ次に向けて準備しているわ。「 準備は裏切らない 」って昔アッシャーが言ってたし、チャンスが巡ってきたときに準備不足で逃してしまうなんてことしたくないからね。今もまだレコーディングしていない素晴らしい曲が数え切れないほどあるのは次に向けていい事だと言えるかもね。まだどれを実際にレコーディングするか決めてないけど。そういう意味では、次回作はもう半分くらい準備できてると言っていいかもしれない。今でも毎週火曜に全員で集まってアレンジを詰めて、1曲できたらまた書いて、を繰り返してるわね。

アルバム収録曲であなたのお気に入りは?

AT:むずかしい質問ね...全部大好きよ。歌っていて一番好きなのは「 Dig Deeper 」かな。自分の母親としての靴を脱ぎ捨ててセクシーさ全開にできるから。生意気にもね。

母親はみんなセクシーですよ。

AT:おっしゃる通りね( 笑 )とにかく、選ぶならその曲かな。あと「 Let's go to the beach 」も大好き。もちろんカヴァー・ソングもすごく気に入ってる。「 Hunk of Heaven 」も「 Automatic 」もちょっとしたわけがあって選んだんだけど、それは秘密よ( 笑 )「 Calender Girl 」もクールね。この曲は実は「 ケイティ・ペリーに曲を書くとしたら 」という学校の課題のために書いた曲なのよ。先生には「 コードチェンジも転調も多すぎるね、ケイティは絶対にこんなことしないよ...でも曲はホントに素晴らしい! 」って言われたわ。それでこれは私たちのバンドのための曲だと思い立ったの。課題も出来たし、バンドの持ち歌にもなったし、まさに一挙両得って感じね。

この素晴らしいアルバムについて何か言うことはありますか?一緒に作業した人のこととか。

AT:アルバム制作をサポートしてくれた人にはホントに感謝しているわ。エンジニアのAndyのサポートは本当に大きいものだわ。アルバム制作のことだけでなく、私たちがまだ学校にいた頃からずっとね。講堂でのミニライヴをしたときには、サウンドを良くするためのアドバイスをしてくれたりもしたわ。どれだけ感謝してもしたりないくらいの存在よ。factor( カナダのレコーディング支援補助金制度 )のおかげでやっと働きに見合ったサラリーを払うことができたけど、それまでは私たちのためにほとんど無償でいろんなことをしてくれた。John Kongは私たちにチャンスを与えてくれた。彼とは今も毎日連絡を取り合って、一緒にバンドのために動いているわ。そしてもちろんバックのバンドメンバーにも感謝している。メンバー全員がすごく才能豊かだし、その力を存分に発揮してくれている。ことホーン隊に関しては同じメンバーで何年も一緒にやってきたおかげですごく連帯感が高まっているわね。私のボーイフレンドでもあるDavid Charlecは、バンドの素晴らしい写真を無償で撮ってくれた。といっても無償なのには理由があって、彼はフランスのワーキングビザでカナダにいて、その関係で給料を払えないの。だけどやっぱり一番感謝しているのはLizzyとMaggieね。三人でのコーラス・ワークはホントにクールだと思う。人間関係的にもとてもいいものを築いているし、私たちなら必ず成功できると信じているわ。

最後になにか付け加えたいことはありますか?

AT:じゃあひとつだけ。私は音楽業界で、女性ボーカリストは音楽的に特別な才能がないかわいいだけの存在だと思われていることについていつも考えてるの。何も知らない、バンドリーダーとしての腕もない、いい曲を書けるわけでもない、音楽家とはとても言えないような存在であると思われてること。もちろん私たちのバンドはそれには全然当てはまらない。私もMaggieもLizzyもビジネスの知識があるし、音楽的にも色んなことを協力してやっているわ。それにバンドの顔として恥ずかしくないよう、メイクやステージ衣装のスタイリングもこなしてる。それらもショウの一部だしね。私たち三人はバンドの代表としてうまくやって行きたいと思っているし、それ以上の存在になれるように望んでいる。同時に曲も書くしアレンジも担当する。もちろん私たち三人を見下したい音楽業界の奴らとの交渉も積極的にやるわ。笑顔を浮かべつつ、とてもビジネスライクにね( 笑 )

最後に。

以上、Alex Taitインタビューでした。日本に対して興味を持っていてくれるなんて本当にうれしいですね。みんなでクラウド・ファンディングやってThe Spandettes日本に呼ぶ資金集めませんか?笑
今月には待望のアルバムのLPも発売される予定なので、みなさん買い逃さないように!そしてまさかのamazonでも発売するみたいなので、よろしければ以下のリンクから一刻も早く予約してくださいね。

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The Spandettes -- Sequins for all people equal

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