イギリスのミュージックメディアClashに、坂本慎太郎さんと、アメリカのインディー・ポップ・バンドYO LA TENGOのフロントマンであるジェームズ・マクニューがお互いの出会いと好きな曲を語ったページが公開されていました。
A Cross-Cultural Affair: Shintaro Sakamoto And Yo La Tengo
以下、日本語に訳してみました。坂本慎太郎さんとYO LA TENGOの関係性なんかも垣間みれるのでおもしろいですよ。
坂本慎太郎、YO LA TENGOが選ぶそれぞれの曲ベスト5
誰かの行為は必ずまた別の誰かを魅了する。というわけで、カルト的な人気を誇る日本のサイケ・ミュージシャン坂本慎太郎と、ニュージャージーのインディーシーンにおける重鎮であるヨ・ラ・テンゴのジェームス・マクニューが、それぞれの手がけた楽曲で好きなものをお互いに選んでくれた--
坂本慎太郎にとってのヨ・ラ・テンゴ
ヨ・ラ・テンゴとの出会いは2000年、ゆらゆら帝国でフジロックに出演したときに彼らも出ていたんだ。そのときの彼らのパフォーマンスは素晴らしくて、すぐにファンになった。ジェームスと仲良くなったのは2005年にバンドが初めてニューヨークでライブをしたときかな。彼が僕たちのライブを見に来てくれたのがきっかけだよ。
ヨ・ラ・テンゴの音楽を聴くと元気になるね。たぶん彼らが純粋に大好きなジャンルの音楽を目一杯楽しんでプレイしてるのが伝わってくるからだろう。そしてそれは今も全然変わっていない。それは本当に素晴らしいことだと思う。
坂本慎太郎の選んだジェームズ・マクニューの曲ベスト5
G.G.Allinをディスコにしようっていうアイディアは最高。歌詞もラブリーだし、ジェームズの人となりが反映されてるね。
Yo La Tengo - 'If It's True'
ヨ・ラ・テンゴで好きな曲はたくさんあるけど、これは特にお気に入り。ジョージアとアイラが交互に歌うパートがいいね。
Yo La Tengo - 'Stockholm Syndrome'
これも大好きな曲。ジェームズの声がスイートでメランコリー。
Yo La Tengo - 'Periodically Double Or Triple'
とてもグルーヴィー。キーボードのソロとコーラスがすごくいい。
Yo La Tengo - 'Nuclear War'
とてもクールなサン・ラーのカヴァーだよね。
ジェームズ・マクニューにとっての坂本慎太郎
2005年に、僕の友人のジョンが彼の好きなバンドのアメリカ初ライブをみるためにアトランタからニューヨークへ向かう車中で僕に電話をくれて、僕も一緒に来てそのバンドをみるように言われたんだ。そして僕はそのどちらにも従うことにした。
もちろん、ジョンの提案は正解だったよ。僕はトニック・クラブの小さなステージで行われたゆらゆら帝国のショウにまんまと打ちのめされてしまった。そこに集まった観客の大部分は日本人のファンだったのだけど、あんな密接した空間で彼らのアイドルと一緒にいられることに面喰らっていたし、凄まじく熱狂していたね。その日の夜にメンバーに会うことは出来なかった。とはいえ、軽いものではあったけど十分リスペクトフルな挨拶みたいなものをかわすことができたことは憶えている。その後すっかりゆらゆら帝国のファンになったし、すぐに彼らの過去の作品を漁ったよ。
翌年彼らはもう一度ニューヨークに戻ってきたんだけど、そのときにやっと正式に会って、友人になることが出来た。2000年のフジロックで彼らがヨ・ラ・テンゴと同じステージに立っていたことを知ったのはそのときだった。彼らのライブのとき僕らは帰り支度に追われてみることが出来なかったんだよ。このときばかりはタイムマシンがあったらと本気で思ったよ( 笑 )2010年にヨ・ラ・テンゴが日本でライブをやったとき、ゆらゆら帝国は一緒に演奏してくれた。すごくうれしかったけど、同時にちょっと不可解でもあったよ。彼らは超人気バンドなのになんでわざわざ?ってね。つまるところ、僕らを盟友のように感じていてくれたからだったのだけど。結局バンドとしてはそれが彼らのラストライブになった。彼らはそうなることを知ってただろうけど、僕たちはもちろん知らなかった。僕らのライブを最後の場に選んでくれるなんて信じられないし、すごく粋な振る舞いだと思う。
ゆらゆら帝国解散後、サカモトサンは1stアルバムで披露したベースを練習したり、2ndで弾いていたスチールギターに挑戦したり曲を書いてレコーディングしたりする中で、ライブ活動をやめてしまった。僕らと一緒にニール・ヤングの「 Fade Away 」のカヴァーをやるまで一切ステージに上がらなかった。彼がライブをしない考えを理解はしているけれど、いつか思い直して、僕がかつてみた景色をもう一度みんなに味わってもらいたいね。そして僕ももう一度みてみたい。もちろん、これは彼に催促してるってことだよ。
ジェームズ・マクニューの選んだ坂本慎太郎の曲ベスト5
ゆらゆら帝国 - '無い!!!!' ( Live at Fuji Rock Festival 2007 )
このビデオのパフォーマンスにはバンドの魅力が全部出てると僕は思う。とんでもないよね。無限に官能的な2コードに、4拍のリズムで歌いながら9.5拍子のギターリフを弾いてるのなんかホントにすごい。どうやってるんだろうね。
坂本慎太郎 - '幽霊の気分で'
サカモトサンのベースと菅沼裕太のドラムを聴くと踊り出したくなるね。中村風子( アナログ盤エンジニアである中村総一郎氏の娘 )のボーカル・アレンジも彼女とのデュエットも美しい。
坂本慎太郎 - '思い出が消えてゆく'
透明感のある音の連なりが、サカモトが歌う美しいメロディーにのせて次々と穏やかに跳ねていく。まるで月夜にきらめく湖のようだよ。
坂本慎太郎 - 'スーパーカルト誕生'
みずみずしくて深く、ミステリアスなサウンド。トラウマ的で優しいメロディと、嘆くようなスライドギターとボーカルアレンジを聴くと涙を流さずにはいられないね。
出会いと別れを同時に言い渡すかのような心がかき乱されるサウンドだね。
関連リンク
zelone Records( 坂本慎太郎オフィシャルサイト )
Other Music ( 2014-09-16 )
売り上げランキング: 3,273
zelone records ( 2014-05-28 )
売り上げランキング: 20,631
zelone records ( 2011-11-18 )
売り上げランキング: 27,818
Matador Records ( 2013-11-19 )
売り上げランキング: 143,226
Matador Records ( 2009-11-02 )
売り上げランキング: 92,396



![Let's Dance Raw [Analog]](http://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/519NIs-0d0L._SL160_.jpg)





