北野武「龍三と七人の子分たち」レビュー テレビじゃできないビートたけしのスケッチ集

投稿日:12/06/2016 更新日:

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北野武の最新作「龍三と七人の子分たち」をみました。

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あらすじ

カタギになり、息子夫婦と同居しながら老後を過ごしているものの、 昔ながらの「義理と人情」を懐かしみ、その価値基準からいまだ抜け出せない元ヤクザの龍三。そんな彼が暴走族あがりの若者たちによる詐欺ビジネス集団「京浜連合」 でおなじくうだつのあがらない現実をいきている かつての部下たちを集めて新たに暴力団「一龍会」を結成、京浜連合を懲らしめるために立ち上がる、といったあらすじの今作。主人公の年齢がやたら高いがオーセンティックなピカレスクものといった趣だけれども、上に書いたようなストーリーを楽しむ映画というよりも、短いヤクザコントがある程度のストーリーの流れのなかで連なっているだけのスケッチ集(モンティ・パイソンみたいな)と言ったほうが正しいかもしれない。

たけしがたまにコメディ全開の作品を作るのは、いま彼ですらテレビでコント番組を作ることが難しくて (ビジネス的な部分はもちろん、たけしが得意とするネタの内容的にも)、それなら映画でやってしまおう、という考えが根底にあるのではないか。 北野武映画という名目、くわえて今回のような任侠モノなら国内だけでなく海外にもマーケットは開かれているし。ふだんバナナマンとか東京03とかの現象として笑えるネタや演者に当て書きした関係性などで笑わせるコントばかり見ているが、ちょうど「水曜日のダウンタウン」の説みたいに、起こっていることを文字にするだけで笑え、実際に演じられることでさらに笑える北野武のコントもこれはこれでホントによい。この作品で言うと、最初のネタ「元ヤクザの老人が振り込め詐欺に遭う」だとか「飼っていた鳥を家族がいない間に焼いて食う」とか、フレーズですでに成立している感じ。ていうかこの映画のとりわけコメディを担っている部分すなわちビートたけしのすべてのネタは「こんな〇〇はイヤだ」の延長線上にある、ということがよくわかるような気がする。

あと北野武がヤクザをよく扱うのは、彼らの社会がめちゃくちゃシステマティックに成り立っていて、起点さえ作れば何もしなくても転がっていくし、ドラマを作りたければ簡単に逸脱できる、そして逸脱した先もまたシステマティックに転がっていくからなのだろう。スポーツと同じ、ガチガチのルールのもとで成り立っている世界だからその筋に詳しければ詳しいほど作るの簡単なんだろうな、多分。

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