ウディ・アレン「ミッドナイト・イン・パリ」レビュー まともな人が誰一人としていない

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ウディ・アレン監督の「 ミッドナイト・イン・パリ 」が最高だった。

映画のあらすじやを読むに付けて、これもまた「 ローマの休日 」の延長線上にある、アメリカ人による観光地プロモーションムービーかと思っていたのだけど、ふたを開けてみれば抱腹絶倒の美術コメディだった。マンガ「 聖☆おにいさん 」とかと同じ類。もう主人公が物語冒頭からパリに完全に陶酔してる発言をしているのを聞いてからずっと笑いが止まらず、そこから90分間爆笑しっぱなしでした。ウディ・アレンは自分がもっと若かったらこの映画に絶対主演してただろうな。

なかでもやっぱり一番おもしろいのは、月並みですけどダリ、マン・レイ、ブニュエルといっしょにオーウェン・ウィルソンが会話するカフェのシーン。寡黙なブニュエル、超現実な世界を達観してるマン・レイ、そしてただ狂っているダリ。この三人と主人公が繰り広げる支離滅裂な会話にはひぃひぃ言わされました。欲をいえばもっとたくさんシュルレアリストだしてほしかったなあ。特にブルトン、バンジャマン・ペレ、ロベール・デスノスの文学トリオ。あとシュルレアリストじゃないけどデュシャンも。それとは別にアドリアナはかわいいし、オーウェン・ウィルソンの顔芸もすごくいい。

劇中出てきたフランスの探偵が最終的にルイ14世とマリー・アントワネットに処刑されるっていうのは、まるでヌーヴェル・ヴァーグ批判のようにもとれてニヤニヤしてしまいますね。ジャン=ピエール・レオーやゴダールの名前が浮かんできます。

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