PortisheadによるABBAの名曲「SOS」カヴァーがすごい
英国トリップ・ホップの雄、Portisheadが新たに開設したPortishead SOSというエクスクルーシヴなYouTubeチャンネルに、ABBAの大ヒット曲「 SOS 」の彼らによるカヴァーが公開されていました。
おなじくこの動画を紹介しているギズモード・ジャパンの記事によると、
本作品は、2016年6月16日に殺害されたイギリスの労働党下院のジョー・コックス議員へのトリビュートとして公開されました。ジョー・コックスさんはイギリスのEU離脱是非を問う国民投票の際に残留を支持しており、襲撃者は「 Britain first( 英国第一 ) 」と叫び、犯行に及んだとされています。
イギリスの国会議員が殺害されるのは1990年にイアン・ガウ議員がIRAに暗殺されて以来。この件はジョー・コックスさんの演説の一節をとった「 #MoreInCommon 」( 違いよりも共通点の方が多い )のタグでまとめられています。
とのこと。ジョー・コックスさんの願いも虚しく英国はまったく逆の方向へと舵を切り、世界をさらなる混沌へと導いていくかたちになってしまいました。その想いに寄り添うportisheadの現在の気分を考えるといたたまれない気持ちになってしまいますね…
ともあれそういったメッセージの是非や意味合いみたいなものはひとまず置いておくことにして、曲自体はportisheadの紡ぐ救いようがないダウナーな世界が、"SOS"という世界で最もポピュラーといってもよいサインの意味合いをより深刻かつ最大限に引き出していますね。小西康陽さんがピチカート・ワン名義でアレンジし、マリーナ・ショウが歌ったジョン・レノン「 イマジン 」( 「 11のとても悲しい歌
」に収録 )を思い出しました。
2曲の根底にある感情には怒りと諦めなど多少の差異はあれど、それこそ"#MoreInCommon"といったところではないでしょうか。
最後に、SOSのオリジナルバージョンを以下に貼付けておきます。
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