「&Premium」東京ガイドレビュー 東京都民もよろこぶローカルな東京特集

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& Premium ( アンド プレミアム ) 2014年 04月号 [雑誌]

先日発売されたマガジンハウスの雑誌&Premiumを読みました。

&Premiumは、元々「 クロワッサン プレミアム 」という名前で、40〜50代の女性をターゲットに発行されていたらしい。内容は主にファッション&メイク情報が中心で、モードファッションや欧州ラグジュアリーブランドの紹介を主にしていたようです。
そんな「 クロワッサン プレミアム 」が、昨年11月に雑誌名変更を伴う大リニューアル。「 THE GUIDE TO A BETTER LIFE 」をテーマ( サブタイトル )に掲げているとおり、日々の生活を豊かにすることに積極的な人々に向けた誌面作りになっています。想像するに、ターゲットは以前より年齢層がグッと下がって20代後半〜30代。前誌からの名残で一応女性をメインターゲットにしているような気がしますが、都会的生活に興味がある男性にとっても読み応えがある雑誌になっていると思います。
その理由の一つは、関わっている編集者が大体男性であること。しかもエグゼクティヴ・ディレクターに今もっともセンシティヴな男性誌( だと個人的に思っている )「 HUgE 」を作り上げた株式会社EATerの柴田隆寛氏を据えています。
このことからも、男女の枠や嗜好にとらわれず、最先端でおしゃれなライフスタイルを提案しようとしているのでは、と考えることができるのではないでしょうか。

東京の人も楽しめる東京をクローズ・アップ

丁寧なリード。女性誌っぽくない。

今号は「 新・東京観光ガイド 」というタイトルを付けて、東京の街に色んな角度から焦点を当てつつ新たな一面を見つけ出そう、そして定番のものは再評価していこう、というような特集をくんでいます。
「 A better life 」を標榜しているだけあって、紹介されているスポットはもう何周も回ってここに行き着いた、というようなニッチな場所が多いです。例えばローカル&ファッション色が強くてにわかに注目度が上がっているシティ・ガイドサイトTimeout Tokyoとコラボして外国人向けの( もちろん日本人でも十分に楽しめる )東京ガイドを掲載したり( 説明ゼロで英訳を載せるところなど最高! )、定番スポットを紹介するにも「 浅草でどじょう鍋を食べよう! 」( 実際はこんなテンションじゃないです )みたいなハイレベルな提案をしたり、東京みやげに白鵬のフィギュアを挙げたりと、それはもうすごい勢いです。東京在住の人のため、といっても過言ではないローカル東京ページには、駒沢公園や、ほとんどそういう括りをみたことがない"奥渋谷"( 代々木公園駅あたりの場所 )、あるいは松陰神社など、あまりにローカルすぎるエリア特集になっていて素晴らしいです。すごくきめこまやか、というか視点にマンネリがほとんどない。さすがEATerイズムおそるべし、という感じです。

編集の意地を感じる招き猫写真

大量の招き猫がインパクト凄い。

上の写真は、そんな&Premiumの中でも僕が一番好きな「 豪徳寺 」の紹介ページ。もうみなさんお察しの通り、単純にこの大量の招き猫のインパクトたるや!たった1ページの紹介のために、どれほどの日数や労力を費やし、ディレクションや撮影を重ねたのか想像すると、それだけで頭が下がり敬意を抱かざるを得ません。写真のアイディアがとてもユーモラスなところも素晴らしいです。

TOKYO BETTER LIFE TIMES

この中綴じがすごく男性誌の発想っぽい。

くわえて、中綴じ付録の「 TOKYO BETTER LIFE TIMES 」もすごく面白かった。なんとなく男性誌の空気を感じる特集の仕方がすごくいいです。中面では、A to Zで東京クラシック( あるいは新定番 )な生活スタイルを紹介しています。しかしなにより表紙の長谷部千彩さんによる短い文章が素晴らしい。まさに東京再評価、という感じ。東京に好感を抱いている人も、そうでない人も、少なからず東京に改めて注視するきっかけになると思うので、ぜひみなさんに読んでほしいです。

まとめ

最後に、言い忘れていましたが、特集の全体リード文がとても丁寧に書かれているのがすごく印象的でした。たいていの女性誌は、どちらかというとあらゆる感情的な表現を駆使して、読者の気分を盛り上げるようなリードを据えているものが多いと思うのですが、&Premiumは「 今回の特集はこういうものです! 」ということを、ほとんどリリカルな表現を交えず、しっかりとした文体で伝えている。この辺もまた非常に男性的だし、むしろ雑誌のカラーが色濃くなっているというか、このリード文に心が奪われるような人に向けている、人にしか向けていない、というような気がしてホントに素晴らしいと思いました。
一番上の写真がそのリードなので、この文章にグッと来た人は、ぜひ&Premium、読んでみてください。素晴らしい雑誌ですよ。

& Premium ( アンド プレミアム ) 2014年 04月号 [雑誌]
マガジンハウス ( 2014-02-20 )

おまけ。

Rolandの広告がなんかすごく違和感。

とっても余談ですが、マガジンハウスのこういうカルチャー系雑誌にRolandのピアノの広告が掲載されているのが、すごく場違いで面白かったです。( 他は大体モード系ファッションブランドやハイブランドの広告 )

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