シュヴァンクマイエル映画における"音"の位置づけ【Švankmajer's list】

投稿日:27/06/2016 更新日:

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自身最後の長編、と銘打った2018年公開予定の映画「蟲」のクラウドファンディングを実施しているチェコの現役シュルレアリスト、ヤン・シュヴァンクマイエルが、先日開設された彼の公式Youtubeチャンネルにて、「Jan svankmajer's list」と題された、彼の作品における特徴的なモチーフの役割について解説する動画シリーズをアップしていました。

Jan Švankmajer - YouTube

今回は、シュヴァンクマイエル映画における「音」や「音楽」について解説していました。以下に紹介します。

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ヤン・シュヴァンクマイエルと音、音楽

Sound

That's another thing...

sound in my films is something I have actually developed while making these films.

In the beginning, I worked with Zdeněk Liška.Liška created music for me and he was a genius, of course, a musician who did not follow the atmosphere but the rhythm of the films.He essentially also included sounds in it.It didn't need any other work.

And when he died, I practically rejected music.And on top of that, this happened during the seventies and the eighties, when culture as a whole was overrun with music and it seemed as if the world, which was headin towards its destruction... as if it wanted to die singing.And I thought to myself, I am not going to prpagate this.

the music and I just started working with music from archives as if it was an artefact.So by working with it,I mean cutting it and putting it together differently from the way it was written by the composer,So I worked with it essentially as if it was just sound.

No action was without sound.The modern films... when there's no shooting or car door slamming,there are no other sounds.But we created sounds for everything,including brushing hair,buttoning up a shirt,and I don't know...Just everithing has its own sound and we always avoided archived sounds.we always recorded everything - all sounds.And we will do it again, in the last film.

日本語訳

それはまた(わたしのこれまでの創作とは)別のストーリーがあります。

わたしの映画における"音"は、作品を追うごとにそのかたち(役割や成立の仕方)が変化しているものです。初期の映画では、ズデネク・リシュカ(ドイツの作曲家)とともに作業し、彼が音楽を作っていました。リシュカは才能豊かであったのはもちろんですが、くわえて映画の雰囲気ではなくリズムに合わせて曲を仕上げるミュージシャンでした。彼の作る音楽には音響効果もすでに組み込まれていたので、わたしがそこに何かをくわえる必要はなかった。

彼の死後、わたしは実質的に音楽を拒絶するようになりました。それは70年代〜80年代ごろ、世界のあらゆる文化で音楽が溢れずぎているような時代が訪れたのがきっかけです。その姿はまるで、すでに崩壊へと向かいつつあった世界が、歌いながら最後を迎えるのを望んでいるようでした。わたしはこのとき、この流れには従わないことに決めたのです。

そしてそれ以降は、アーカイヴにある音楽をまるでそれらが工芸品であるかのように扱いつつ、活動するようになりました。すでにある音楽を切り刻み、作曲家が構成したのとは別のやり方で配置し直すようなやり方でね。だから、わたしのとって音楽を扱う、ということは、根本的には音楽ではなくただの"音"のように扱うことと同じです。

この世に音が発生しない動きというのは存在しません。現代の映画だと、狙撃シーンや車のドアを閉めるシーン以外に行動に音がともなうシーンはない。でも、我々の映画ではすべての行動に効果音を付けます。髪を解くのも、シャツのボタンを留めるのでさえも。すべてのものには固有の音があるので、こういった音に関しては過去録音された似たような音を当てることは避けます。すべてそれぞれに合わせて録音します。全部です。

もちろん、これから撮るわたしの映画(「蟲」)でもそれはおなじです。

おまけ

冒頭でも触れましたが、ヤン・シュヴァンクマイエルは現在チャペック兄弟の戯曲「虫の生活」を上演する劇団をえがいた新作映画「蟲」を撮影中で、2018年公開をめざしてクラウドファンディングを実施しています。ファンの方はぜひ応援してみてはいかがでしょう。

Jan Švankmajer: Insects

シュヴァンクマイエルのそのほかの解説動画に関しては以下をチェックしてみてください。
シュヴァンクマイエル本人によるインタビュー&作品解説動画まとめ

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