星野源「YELLOW DANCER」レビュー オリコン1位はとてもかっこいいことだ

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桜の森とYELLOW DANCERジャケット。

遅ればせながら星野源「 YELLOW DANCER 」を手に入れて聴いている。昨年12月にCDが、そして1月のおわりにレコード盤が発売されたこのアルバムはいたるところで、一般の人だけでなくミュージシャンの方からも高い評価を受けているが、そのウワサに違わぬ素晴らしい内容で圧倒されてしまいました。

冒頭3曲の流れとか「 Soul 」のフルートのフレーズの素晴らしさとか、伊藤大地さんの参加した曲のSAKEROCK感とか、個別に素晴らしいと感じるところを挙げていくとそれこそきりがないくらい、いろんな魅力で溢れているアルバムだが、平たく言えば、タイトルどおりブラックミュージックに根ざしながらJ-POPと形容するにふさわしい楽曲がたくさん並んでいる。しかしなにより、そんなともすればマニアックな( ポップとはいえ好む人を選ぶようなジャンルの音楽に近い曲調の )アルバムで、普通の人はCDなんてもう買わなくなったこの時代にオリコンランキング1位をとったのは、とてつもなくかっこいいことだと思った。好きなミュージシャンがチャート1位になることをすごいとかおめでとうとか思ったことはこれまでにも経験あるけれど、かっこいいと思ったのはこのアルバムが初めてかもしれない。ヒットチャートで上位になることは音楽外の要素なしには達成されないので楽曲の良さを必ずしも保証しないし、そもそもなれるかどうかは音楽家個人の問題でありリスナーにとっては関係のないことだ、と信じて生きてきたけれど、このアルバムによってその考え方すべてを否定されてしまったような感覚。

それはともかく収録曲にはタイアップも多いし、音楽的にもシンセは全部アナログ、他のパートに関しても打ち込みなしのオール生音で録音されてるという。ジャケットに関しても、レコードサイズだとYMOさが増してとてもいい感じ( だけど背景デザインは特色感のあるCDの赤のほうが私は好き( ピンクも素敵です ) )。あとあまり関係ないけど前に出た12インチ「 桜の森 」( イラストは市川春子さん )と並べると、YMOが元ネタというより星野源さんは「 人間のようなもの 」のアップを表1にするのが好きなんだな、という気がしてきますね。

あとセルフライナーノーツ、というか一言解説もすごくいい。たとえばCrazy Crazyの解説に「 歌とベースがイエロー、ピアノがブラック、ドラムがホワイトのイメージで作った 」と書いてあって深く納得した。いつかベース亀田誠治さんピアノ上原ひろみさんドラムYOSHIKIでのライヴver.を聴いてみたいものです。

ともあれ、そんなわけでこの「 YELLOW DANCER 」、ビジネス的にも音楽的にも、どこからみても素晴らしい超絶名盤だった。そんな作品を軽々と繰り出してしまう星野源さんと同じ時代を生きられることを誇りに思いますね。

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