映画「チェブラーシカ」レビュー キュートな動作とは裏腹にダウナーな話ばかり

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恥ずかしながらチェブラーシカのオリジナル劇場版を初めて観たら、衝撃的な面白さでした。

ロシアの児童文学家エドゥアルド・ウスペンスキーによる絵本シリーズ「 ワニのゲーナ 」が原作の、言わずと知れた謎の生物チェブラーシカとゲーナが出会う場面、すなわち物語の始まりの話を含む4編のショートストーリーで構成されている劇場版チェブラーシカですが、キャラのかわいらしいビジュアル、あるいはストップモーションによるキュートな動作とは裏腹に、根幹にダウナーな雰囲気が流れる話ばかりでゾクゾクした。This is共産圏のアトモスフィア、という感じ。もちろん子ども向けということもあり、ユーモアも散りばめられていたのだけど無駄にダークで解決しないものが多く、喩えるならカフェで隣に座った女子大生たちの悪口を伴った他愛もない会話を聞いてるような気持ちに鳴った。キャラクターの設定も4つの短編でなぜか統一感がないおかげで、すごくナンセンスな感じになっていて、それもすごくよかった。好きだったのはダントツで「 チェブラーシカと怪盗おばあさん 」の話。シャパクリャクの支離滅裂ぶりがやばくて、単純にゲーナとチェブラーシカが超かわいそう、と言った風に素直に感情移入できる話でした。もちろんゲーナの歌も最高。

関係ないけどチェブラーシカみたいな性格の女の子500%モテると思う、ていうか少なくとも僕は500%好きになります。暗いけどポジティブ。ちょうど松本大洋「 Sunny 」のめぐむみたいな感じ、といって伝わるかどうかはわかりませんが。

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