ダリ展(国立新美術館)レビュー。彼の作品はいつもタイトルが最高。

投稿日:02/10/2016 更新日:

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遅ればせながらダリ展に行ってきた。夏に京都で開催され、今秋東京に巡回してきた、日本では10年ぶりの回顧展である。

ダリ展 | 国立新美術館 | 京都市美術館

ダリといえばマグリットと並んでシュルレアリスムの権化的な扱いをされることが多いが、わたしのなかで彼は有り余るナルシシズムからベラスケスのような中世の宮廷画家みたく世界で一番上手い画家になろうとしたがそれは無理なことがわかって絶望し、自己愛を拗らせ、その代わりに世界で一番有名な画家になろうと、当時最も勢いのある芸術運動だったシュルレアリスムを利用しただけ、という印象が強い。シュルレアリストたちはダリの生み出した作品よりも夢破れた絶望の反動からくる彼自身の狂ったパーソナリティに惹かれたのだろうし、ブルトンが彼を運動に組み込んだのは当時シュルレアリスムの理論形成がまだ発展段階にあったからなのだろう。ダリの編み出した偏執狂的批判的手法による作品はトロンプ・ルイユ的な驚異の面では超現実的だが、オブジェ感に欠けるところがあるため、必ずしもすべてがシュルレアリスム絵画とはいえないと思う。とはいえブルトンに「ドル亡者(Avida dollars、Salvador Dalíのアナグラム)」と言われたのを真に受けてさらに拝金主義的になっていくところとかは最高ですけどね。

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展示されている絵画では、1930年代の、作品でいうとレーニンの顔がピアノの鍵盤の上にいくつも並んでる「部分的幻覚 ピアノの上に出現したレーニンの幻影」みたいな作風のものが好きだった。ていうか、ダリの作品はいつもタイトルが一番いい。もし彼が文学方面に行ってたら正しきシュルレアリストになれていたと思う。彼の自伝「わが秘められた生涯」はすごく面白いらしいので読みたくていま必死に探しています。それと立体作品もいい。シュルレアリスム国際展でダリが作ったマネキンなんかこの世のものとは思えない素晴らしさ。

展覧会ではほかに「アンダルシアの犬」と「黄金時代」が観られたのがよかった。あと、グッズのヴァリエーションがやたらと充実していたり、数多の芸能人を使ったプロモーションの勢いが凄かったりするところが、まさしくダリの晩年(アメリカ以後)のパーソナリティを体現しているなあ、と感じました。展示は12月12日までだそうです。

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